中台、金門周辺海域で緊張 巡視常態化、現状変更狙い
【台北共同】中国本土に近い台湾の離島、金門島付近で発生した中国漁船の転覆事故をきっかけに、中国が周辺海域でパトロールを常態化すると表明した。中国はその後、台湾側水域での巡視や台湾船への臨検を実施するなど現状変更を図る動きを見せており、中台間の緊張が高まっている。 中国には独立派と見なす与党、民主進歩党(民進党)、頼清徳副総統の5月の総統就任を前に、民進党政権に圧力をかける狙いもあるとみられる。米国務省のミラー報道官も中国側の動向を注視していると述べた。 台湾当局は金門島周辺に、許可のない中国船の進入などを禁じる禁止・制限水域を設定。台湾海巡署(海上保安庁に相当)の船が14日、同水域に入った中国漁船を追跡した際に漁船が転覆、4人が海に転落し、うち2人が死亡した。 中国側は台湾の取り締まりを批判し、中国国務院(政府)台湾事務弁公室は17日、禁止・制限水域の存在を否定する談話を発表。中国海警局は18日、パトロール常態化の対抗措置を表明した。