現代の人はお尻を拭き過ぎている!? 専門家に聞く「正しいトイレの仕方」【便編】
あなたは自分のトイレの仕方に自信はある? 毎日当たり前にいっている排尿や排便、実はやり方が違うかも。大人になった今、改めて見直して欲しトイレの仕方を【前編】【後編】の2部でお届け。 【写真】デリケートゾーンの三大ケア!「脱毛・洗浄・膣トレ」の疑問に医師が回答 【前編】ではおしっこの仕方を紹介した。今回の【後編】ではうんちの仕方を学んでいこう。大腸肛門病センター医師・松島小百合先生に教えてもらった。 ▼松島小百合(まつしま・さゆり)さん 医療法人恵仁会松島病院理事。2014年北里大学を卒業後、横浜市市民病院で研修医として実績を積み、松島病院にて大腸肛門病専門医として従事。
おしりのかゆみ、実は拭きすぎが原因? 現代人が抱えるおしり悩み
正しい排便の仕方を教えてもらう前に、現代人のおしり悩みを知っておこう。松島先生のところには、どんな悩みを抱えて来る人が多いの? 「病院にいらっしゃる患者さんは、いぼ痔・切れ痔・痔瘻などの肛門疾患に伴う痛みや出血などを相談しに来られる方が多いです。 また、肛門付近のかゆみを相談しに来られる方もおられます。実は、かゆみの原因の多くはおしり(肛門周り)の拭きすぎが原因となって皮膚炎を起こしているのです。恐らく排便の時、かゆみを感じる方は必要以上に肛門を拭きすぎているようです。あくまで私見ですが、若い女性だとVIOを脱毛する方が増えたこともあって、肛門周りを清潔に保とうとする人が多いのかもしれません。 清潔に保とうとする気持ちはわかりますが、肛門付近の皮膚は薄くてとってもデリケートなのに加えて、便座に座って便を拭いている時は、肛門が広がって肛門の少し中まで拭いている状態。トイレを終えて立ち上がれば中に引っ込む場所まで完全にきれいにしようとして、トイレットペーパーでゴシゴシ何度も拭いてしまうと、皮膚が傷ついて、炎症を起こすことも。そして炎症が原因でかゆみや赤みが起こるわけです。完全にきれいになるまで何回もペーパーで拭く必要はありません。適当なところであきらめましょう」
トイレに入って1~2分でツルっ!が“理想のうんち”
一言で便といっても、その日の体調やタイミングによって異なるもの。理想的な便ってどんなものだろう? 理想的な便は、表面が滑らかなバナナ状。トイレで軽くいきむと2~3分以内にスルっと排便できるのが理想です。 よく、毎日同じ時間に便を出さなければいけないと思っている方も多いですが、その必要はありません。便意を感じたらトイレに行く、それがベストなタイミングです。 詳しい便の状態を見ていきましょう。下記の表の③~➄の形状なら正常な便と言えます。もし、③~➄以外の便が出ていたら注意が必要。便は食べたものから体に必要な栄養素が吸収されたあとの残りカスなので、もとをたどれば食べ物。便秘や下痢になっている場合は、食生活が大きく影響している可能性があります。