<会社訪問>日本気象協会 天気予報は20年でどう変わった?
そろそろ初雪のニュースが伝えられる時期になりました。また2013年は気象庁以外の団体が気象を予報できるようなって20年の節目でもあります。お天気お姉さんが登場し、ピンポイント天気や紫外線など多様な天気予報が生活に溶け込んでいますね。天気予報はどのように変わって、誰が予報しているのでしょうか? 日本気象協会(JWA)に聞きました。
木目の細かい天気予報にニーズ
民間でも気象予報ができるようにと気象業務法が改正されたのが1993年。JWAでは、それまで特定の企業に向けて独自の予報の情報提供を行っていましたが、法改正以降は、一般向けにも情報発信を行うようになりました。当時の予測現場にいた職員によると、「一般向けの情報発信が可能となったことにより、情報発信量が増え、予測の現場がより活発になった」と言います。 現在、気象庁の許認可を受けた予報事業者はJWAを含め61ありますが、全国レベルで予報が出せるのは日本気象協会とウェザーニューズなど数社だけといいます。逆に言うと、それだけ木目の細かい天気予報に需要があるとも言えます。 私たちがインターネットやテレビでみる天気予報は、天候、気温、降水確率など広く浅い天気予報です。しかし、もっと「狭く深い天気予報」を必要とする人たちもいます。高速道路会社や鉄道会社です。地面が凍結するか、霧は出るか、駅ごとの天気はどうか、必要とされている情報を特別に作るのです。
最後にモノを言う人間の経験と直感
数十年前までは人間が天気図を見ながら予報していました。いまはコンピューターがシミュレーションして予報する「数値予報」が中心です。これによって複雑かつ大量の計算ができるようになったのです。 しかし、コンピューターも完ぺきではありません。地球上の計算エリアは20キロメートル四方の格子状に区切られています。局地的な雲は10キロメートル四方の範囲に収まるため、規模が小さいと計算結果に現れてこないのです。 さらに「○年前の大雨と似ている」とか「どこどこは計算より雪が多く降る」など、人間がコンピューターが持つ計算のクセを補正したり、地域による気象の特性をみたりして、計算結果を手直しする必要があります。最後には、人間の経験や直感がモノをいうわけです。