衆議院選挙・浮動票がカギ握る鹿児島1区、女性や若者意識し訴え…自民・立民・参政が三つ巴の争い
衆院選は、27日の投開票に向けて各候補が論戦を繰り広げている。激戦となっている注目選挙区で現場を追った。(敬称略) 【写真】鹿児島1区立候補者の氏名柱
石破首相が応援「掃除や洗濯もする」
16日午後、鹿児島市内のホテルで開かれた自民党・宮路拓馬の演説会。加藤鮎子・前少子化相は「こども家庭庁が必要だと声を上げ続けてきたのが宮路さんだ」と集まった約300人に語りかけた。
その後、壇上に立った宮路は、障害者福祉や子育て支援策の充実を訴えた。生理や更年期障害など、女性特有の健康に対する悩みを先進技術で解決する「フェムテック」にも言及した。
19日にJR鹿児島中央駅前で演説した石破首相も宮路のことを、「掃除や洗濯もする」と紹介し、「女性が持つ能力を最大限に生かせる社会を作らなければならない。宮路はそのために一生懸命頑張ってきた」と強調した。
経済対策などを中心に訴える同党の候補が多い中、宮路の訴えは異色にも見える。陣営幹部は「こうした主張や姿勢が幅広い層からの支持につながるはず」と期待する。
「有権者に近い距離で」街頭演説50回
「庶民の生活が分からなくなった自民党を許してはいけない」
21日午後、JR鹿児島中央駅近くで立憲民主党・川内博史は声を張り上げた。泉健太・前代表も駆けつけ、「世襲や金持ちではなく、志があればチャレンジできる政治にする」と訴えた。
前回選では宮路との一騎打ちに敗れたが、同党衆院議員の補欠選挙立候補に伴い、4月に国政復帰した。浪人時代も含めて選挙区内をくまなく歩き、有権者と対話を重ねてきた。
選挙戦では、世襲や自民党派閥の「政治とカネ」の問題に言及し、政権への批判票の取り込みを狙う。非正規で働く女性の雇用環境の改善など、女性や子育て世代へのアピールにも力を入れる。
公示後、街頭演説は約50回を重ねた。陣営幹部は「有権者に近い距離で話を聞いてもらえる街頭演説に力を入れている」と語った。