「検察なめんな」映像を公開 大阪地検特捜部、検事が威圧的な取り調べ
大阪地検特捜部が捜査した横領事件で、無罪が確定した不動産会社の元社長が国に賠償を求めている裁判が開かれ、検事が怒鳴りながら取調べを行う映像が公開されました。 【画像】机をたたき「反省しろよ」 元検事「何が問題なのか一目瞭然」
■声を荒げ、机をたたき「反省しろよ」
大阪地検特捜部(当時) 田渕大輔検事 「検察なめんなよ!」 これは、20日に公開された、大阪地検特捜部による取り調べ映像の一部です。密室での行為が公開されるに至った背景には、何があったのでしょうか? 5年前、大阪地検特捜部が捜査した学校法人の土地取引を巡る横領事件。この事件を巡り、当時不動産会社社長だった山岸忍さんと部下は横領の疑いで逮捕されます。 この映像は、土地取引の実務を担っていた山岸さんの部下に対する威圧的ともとれる取り調べの様子です。 田渕検事 「世間の評判を貶めた大罪人ですよ。あなたはその損害を賠償できます?10億20億じゃ、すまないですよね。それを背負う覚悟で今話していますか?」 元部下 「………」 田渕検事 「うん…まただんだん悪い顔になってきてるよ」 元部下 「いやいやいや。そんなつもりないです本当に」 その後、裁判で無罪が確定した山岸さんは「検察の違法な捜査が冤罪を生んだ」などとして、おととし国に賠償を求め提訴しました。 裁判の焦点となったのが、取り調べ時の録画映像。最高裁が民事裁判で初めて、取り調べ映像の公開を認めました。 田渕検事 「何で嘘ついたの?」 元部下 「嘘っていうか…」 田渕検事 「(机を激しくたたく)ウソだろ?今のが嘘じゃなかったら何が嘘なんですか。ふざけないでくださいよ。いや、はいじゃないだろ。反省しろよ、少しは。何開き直ってんだよ。何こんな見え透いた嘘ついて。なおまだ弁解するか。なんだその悪びれもしない顔は!悪いと思っているのか!」 担当した田渕検事らは山岸さんも共犯という見立てで元部下の取り調べを進めます。 田渕検事 「これ以外にも私にいっぱい嘘をついたでしょう。私は悪いあなたが出てきたら今みたいな弁解をすると思いましたよ。でもあなたが嘘をついたことを悔い改めたら、頭を下げると思っていました。でもあなたはそれどころか逆ギレじゃありませんか。しかもそんな怖い顔して」 「検察なめんなよ!命かけてるんだよ、俺たちは!あなたたちみたいに金をかけてるんじゃねえんだ。かけてる天秤(てんびん)の重さが違うんだ、こっちは。金なんかよりも大事な命と人の人生を、こっちは天秤にかけて仕事してるんだよ」