小刻みな継投で逃げ切る 高知の目標は「昨年超え」 センバツ出場校紹介
高知は2年連続20回目の出場となる。細やかな継投で相手打線の目先を変え、緻密な攻撃で勝機をうかがう。濵口監督は「華やかな突出した選手はいないが、粘り強く『野球力』で勝ち上がりたい」と意気込む。
小技や機動力で積極的に仕掛ける
昨秋の高知県大会では3試合連続の零封勝ち。決勝は明徳義塾に2―6で敗れたが、準優勝を果たした。3年連続の出場となった四国大会では尽誠学園(香川)、今治西(愛媛)に快勝して準決勝に進出。優勝した英明(香川)に2―4で敗れたものの、攻守の要である門野結大(2年)をけがで欠く中で高い総合力を示した。
どの打順からでも得点が可能な、切れ目のない打線がチームの強みだ。四国大会では1回戦、準々決勝でともに2桁安打と打線が爆発。高木心寧(2年)や木村星太朗(2年)は、いずれも秋の大会の打率が4割以上と好調で、2人で計14打点を挙げるなど勝負強い。 長打力こそないが、小技や機動力を絡めて得点を目指す。就任5年目の浜口佳久監督は系列の高知中を全国優勝に導いた実績を持つ。得点の取りにくい軟式野球で養った戦術眼を用い、時にセオリーにとらわれず、積極的に仕掛けて相手の意表を突く。
的を絞らせぬ4投手の継投
投手陣は、西村真人、中嶋奏輔の2年生が軸となる。さらに辻井翔大、平悠真の1年生も急成長している。4投手による継投で、相手打線になかなか的を絞らせない。中嶋は「誰がどこで投げるかは完全には決まっていない。それぞれの調子や相手の特徴によって変わる」と明かす。メンバー外だった投手も成長しており、継投策はさらに広がり、変化する可能性もある。 目標はベスト8に設定した。そこには昨春のセンバツで1勝した「先輩を超える」との意味を込めた。浜口監督は「『去年の代を超える』という目標を立てて練習してきた。8強以上を目指したい」、主将の西村侑真(2年)は「練習でやれることをやりきり、100%の力を発揮できるようにしたい」と力を込める。1975年センバツを制し、2013年にはベスト4へ進んだ伝統校は謙虚に節目の20回目の舞台に挑む。
OBに阪神・森木大智投手ら
1899年、江陽学舎として創立。1948年に新制の城東高となり、56年に高知高と改称された。運動部の生徒が通うスポーツ進学▽勉学と部活動を両立させる文理▽国公立大学や私立難関大学などを目指す特進――の3コースで約600人が学んでいる。 運営する学校法人高知学園は幼稚園、小中高校、短大、大学、専門学校などを設置。建学の精神は「信頼される人物の育成」で、社会に貢献する人材の育成を目指している。 野球部は26年創部で、甲子園にはこれまで春19回、夏13回出場。64年夏と75年春に優勝を果たした。OBにプロ野球・阪神の森木大智や中日の木下拓哉ら。