「1分で切れる曲探し」はボディビル×オタクの至高の楽しみ フリーポーズは“好き”を掛け合わせた作品【若き関西の雄・檜皮哲希#3】
――フリーポーズをどのように構成しますか? 「オフシーズンに、フリーポーズ用に1 分で切れる好きな曲を大量にストックしておくんですよ。大会が近づいたときに実際にポーズ付けてみると、これはちょっと違うなみたいなやつもあるので、これはハマったなというやつを採用していって。あの時間が、一番楽しいですよね(笑)。Apple Musicの画面を見ながら、『これ、めっちゃいい!』『この曲、1分でちょうど切れるぞ!』みたいな、めちゃくちゃ気持ちいいんですよ。ボディビルがめちゃめちゃ好きですけど、そこに他の好きな要素を掛け合わせられるので、フリーポーズは最高の楽しみなんです」 ――ちなみに、デビュー戦となった2021年のマッスルゲート関西大会では、2回あったステージのうち、一つは『死の舞踏』がBGMでした。須江正尋選手が2009年のワールドゲームスで使用し、昨年の世界選手権でも再び披露した、ボディビル界では伝説とも言われるフリーポーズの曲です。 「当時は初めての大会ということもあり、正直、自分のアイデアが何もない状態でした。なので、まずは好きな選手のフリーポーズを 1 回真似してみようということで、須江選手をオマージュしたようなものにしました」 ――いま、憧れの選手はいますか? 「はい。いろんな選手の方に憧れるんですけど、自分の中で『こういう存在になりたい』と思っているのは、同じ関西出身の宇佐美一歩さんですね。あの方はなんというか、“ボディビルの獣”というか。ボディビルに呪われている、まさにボディビル 1 本の男。自分もいつかはそういう男になりたいと思っています」 (続く)
【PROFILE】
檜皮哲希(ひわだ・てつき) 2004年2月14日生まれ、兵庫県出身。兵庫県立篠山鳳鳴高校3年生時の2021年に、マッスルゲート関西大会でボディビルデビュー。高校生の部で優勝、ジュニアの部で3位。その年の全国高校生ボディビル選手権では6位入賞。2023年、関西ジュニアボディビル選手権、関西クラス別ボディビル選手権の75kg超級で優勝。初開催のジュラシックカップではルーキークラスの初代王者に。
取材・文・写真/木村雄大