パニックに陥った釜山駅…KTXの脱線で「蒸し風呂駅」に
「何かの災害映画みたいだ」 「運転しても3時間半で行ける距離なのに、ここで1時間半も待たされている」 18日の午後8時。KTXの列車脱線事故で列車が相次いで遅れ、釜山(プサン)駅では列車を待つ疲れた乗客たちのため息ばかりが膨らんだ。 釜山駅2階の待合室は、この日午後7時頃から列車に乗れなかった乗客たちで足の踏み場もないほど混雑していた。乗客たちは電光掲示板をぼんやりと眺めながら、列車の出発が再開されるという知らせを待ちわびていた。しかし「遅延」という文字が表示されるだけで、乗客たちは待合室を離れられずやきもきしていた。 鉄道公社の職員たちはホワイトボードを持って、運行が中止された列車、遅延出発する列車などを案内するのに追われていた。拡声器を使い大声で案内したが、人混みの音と放送の音が重なってまともに聞こえなかった。両手にスーツケースを持った外国人たちも、戸惑った表情で電光掲示板ばかりを眺めた。案内する職員たちの声を聞くために近寄っては首をかしげて帰ってくる姿も見えた。 人が大勢集まっていたため、待合室は温度と湿度が上がり、まさに蒸し風呂状態だった。暑さを避け、エアコンが稼動する待合室周辺の飲食店などの店舗は空席もなく客で埋め尽くされていた。友人同士で旅行に来た20代は「少なくとも1時間以上待たなければならないかも。人がさらに押し寄せる前に外に出て、対策を話し合わなきゃ」と言って立ち上がった。 ソウル駅でもソウル発釜山行きの列車が相次いで延着し、この日午後7時基準でKORAILのアプリには最長103分の遅延予想時間が表示されていた。移動量の多い日曜日の夕方の時間帯に事故が重なったため、乗客たちは事務室を訪ねて列車の出発時刻を問い合わせたり、延着に抗議したりしていた。 週末にソウル駅を訪ね、職場のある世宗市(セジョンシ)に移動するために午後6時24分の列車を予約した30代のP氏は「1時間ものあいだ列車の中に閉じ込められていた。いつ出発するか分からなかったのでさらに大変だった」と語った。KTXで通勤する会社員たちも、他の交通の便を探すのに必死の様子だった。 KORAIL側によると、この日午後4時38分頃、京釜高速線ソウル発釜山行きのKTXの列車が東大邱(トンデグ)駅から新慶州(シンキョンジュ)駅に向かう途中、大邱市寿城区(スソング)の顧母(コモ)駅付近で運行異常により停車。車輪1個が軌道から外れたことを把握したと説明した。この事故で上り・下り線ともに列車運行に支障をきたし、京釜線のほとんどの駅は列車を待つ乗客で混雑した。 KORAIL側は「いつ復旧が完了するか分からない。列車を線路に正常に上げた後、車庫に入れなければならない」と明らかにした。 釜山/チュ・ソンミ、チェ・ハヤン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)