赤字予想7100億円に拡大 東芝・室町社長「今年度中にウミ出し切る」
東芝は4日、2015年3月期の連結決算の業績予想を発表した。それによると、純損益は7100億円の赤字で、昨年12月に公表した5500億円より拡大した。決算発表後に同社で会見した室町正志社長は「誠に遺憾。1か月あまりで大変大きな修正となった」と陳謝し、「今年度中にウミを出しきって、16年度のV字回復を図る決意の表れだ」と強調した。 【写真】東芝巨額赤字、経営は維持できるのか? 不正会計は新たな局面へ
今回発表された業績予想によると、売上高は6兆2000億円と前回と変わらないものの、営業損益は3400億円の赤字から4300億円の赤字に下方修正。電子デバイスや電力・社会インフラなど不採算案件の引き当てや、送変電・配電・太陽光事業での資産評価減などが大きな要因となった。株主資本比率は、前回予想の7.4%から2.6%に減少する。 下方修正は構造改革を進めるための費用を織り込んだことも要因と説明。室町社長は、今年度中にウミを出し切るべく、適正な在庫管理やコスト削減のための構造改革に関する各事業体からの要望を認めたという。本当にこれ以上ウミは拡大しないのかとの問いには、構造改革のメニューは概ね予定通りだとして、環境変化などの要因がなければ「いまの見込みを下回ることはないと思っている」と述べた。 米原子力子会社のウエスチングハウス(WH)の減損テストの状況については、平田政善上席常務が「のれんが毀損している兆候は出ていない」と説明。今後も資産性について「適時適切に情報開示する」とした。室町社長も「環境変化がある場合は、減損テストをもう一度行う可能性もある」と述べた。 また、白物家電とパソコン事業の再編成について、室町社長は「2月末までには何らかの方向性をお伝えできれば」と言及した。白物家電のシャープとの統合も「選択肢の一つ」と述べ、それが成立しない場合には海外など他の選択肢も視野に入れて検討すると語った。 ■会見全編動画