パンとの相性が抜群!!フランス風「粗塩入りバター」を簡単につくる方法
「なんちゃって」フランス風バターのつくり方
最初にお約束したとおり、手抜きしてアメリカ流にフランス風バターをつくる方法をお教えしましょう。必要な材料は2つだけ。 ヨーロッパ産の無塩バター大きな薄片状の結晶になった海塩 ヨーロッパ産バターは、アメリカにおいては以前より多く食料品店で取り扱われるようになりました。 アイルランドの「Kerrygold」なども手に入りますし、「Plugra」のような、「ヨーロッパ・スタイル」と称した乳脂肪分の高いアメリカ産バターも買えます。乳脂肪分が82~85%であれば、問題ありません。 「ヨーロッパ・スタイル」のバターを選んだら、完全にやわらかくなるまで4時間から一晩置いておきます。 やわらかくなったら、包装をはがしてボウルに入れ、薄片状の塩(flaky salt)を加えて、ゴム製のスパチュラで混ぜ合わせます。 ご自分の好みに合わせて0.5~3%の塩を入れてください。薄片状の塩は形も大きさもまちまちなので、必ずキッチンスケールを使って重さを量りましょう。 それはそうと、塩の結晶の形は重要です。 中の塩の形が見えるパッケージのものを選ぶようにしましょう。中が見えない場合は、パッケージに「フレーク状」と書いてあるはず。 結晶が大きい「コーシャーソルト」のような塩は硬すぎますし、普段使うような粒の細かい食卓塩も、バターが塩辛くなってしまいますから、求めているものとはちょっと違うでしょう。 フランス産バターは、塩気のないクリーム状のバターの中に、塩のかけらが埋まっています。かすかなジャリッという食感とともに、塩味が口いっぱいに広がり、すぐに消えていきます。 イギリスのブランド「マルドン(Maldon)」の海塩か、ピラミッド型の結晶構造が見える塩を試してみてください。ピラミッド型の結晶は、中くらいの大きさのフレーク状にすぐに崩すことができます。 私の場合、棒状のバター1本分(113.4g)に、3gの塩を混ぜました。3%よりちょっと少ない程度です。フレーク状の塩を混ぜたら、バターを容器に入れて冷やしておきます。これで、粗塩入り「なんちゃって」フランス風バターを、いつでも使えるわけです。 塩の粒のまわりに水分が出ても、異常ではありません。塩は親水性があり、空気中の水分を吸うのです。水分が出ても味はかわりませんし、本物のフランス産バターにも起こる現象です。 なお、発酵バターは、発酵クリームをかき混ぜてつくるものなのですが、発酵クリームを簡単につくる方法はありません。 あの独特の風味を出すために、クリームにバターミルクやヨーグルトを加えて自分でかき混ぜる人もいる、と何かで読んだことがあります。 そこまでやればスゴイですが、それはまた別の機会に。今回は、あの独特の風味はないので、残り2つの要素(乳脂肪分の多さと塩)に頼ることにしました。 私はオンラインで販売されている「Vermont Creamery」の発酵バターしか見たことがありませんが、あなたがお住まいの地域では発酵バターが見つかるかもしれません。そうすれば、無塩のKerrygoldの代わりに、そちらを使ってみてもいいでしょう。 Source: Target, MisfitsMarket
浅野美抄子(ガリレオ)