五輪開幕まであと5年、拡大するインバウンド市場に海外の日本投資も加速
担当者によると、2003年からの12年間でJETROが支援して日本拠点を設立した海外企業は1200社、海外企業の日本への投資プロジェクトは1万2000件にのぼるといいます。「近年では、特に観光分野での外国企業の日本進出が目立っています。エアアジアXや春秋航空などの格安航空会社(LCC)の就航に加え、最近ではポーランド航空や中国の吉祥航空などのフルサービスキャリア(FSC)も日本路線の就航・拡大を発表。また、中国最大級のオンライン旅行会社・携程旅行(Ctrip)や、ドイツの宿泊予約サイト大手・HRS(Hotel Reservation Service)、スペインのオンラインチケット売買大手Ticketbis、経営破たんした宮城県蔵王町の温泉旅館 竹泉荘を再生した香港のMingly Corporationなどが日本国内でのビジネスを展開させています」(担当者)。 では、こうした海外企業の日本への投資や事業拡大が、日本経済にもたらす影響はどうでしょうか。担当者は、「外国からの投資は、日本の産業界に新しい技術や革新的経営をもたらします。加えて、新しい製品やサービスが日本に登場することで、新たな市場が創出されるのです。対日投資の拡大は、地域経済の活性化、雇用機会の創出につながる“日本経済活性化の鍵”になると期待されています」とコメントしています。担当者によると、観光業に代表されるインバウンド市場は、輸送や宿泊から小売・飲食・娯楽などのサービス業まで、非常に裾野の広い産業で、外国企業の増加と観光客の増加とは相関関係にあり、海外のサービスが日本で提供されることで訪日外国人に安心感を与え、それが消費拡大のトリガーになると考えているのです。 「例えば、日本人が海外を旅行する際、旅行先に日本人ガイドはいるか、和食は食べられるか、日本語対応の病院はあるか等、日本国内と同様のサービスの有無を気にしますが、それと同じように日本に来た外国人は、やはり自国のサービスがあることで安心し、そこから消費に繋がります。急成長する日本のインバウンド市場が、日本への更なる投資を呼び込む上での牽引役となる事を、JETROとしても大いに期待しています。JETROでは、2020年までの訪日外国人観光客2,000万人達成という政府の目標に貢献するべく、観光庁・日本政府観光局・経済産業省と協力し、訪日外国人増加等に向けた『共同行動計画』を策定しました。外国企業誘致を目指すJETROの『インベスト・ジャパン』と、外国人旅行客誘致の『ビジット・ジャパン』の連携によって、更なる訪日外国人及び外国企業増加を目指しています」(担当者)。