何もしないと年1%ずつ減少する! 貴重な「筋肉」を守るため現役の武術家がやっている「レフ筋トレ」のすごい中身
人間は筋肉なしには生きられない
そして筋肉の機能は、プラスに作用することもあれば、マイナスに作用することもあります。 スポーツのとき、あるいは通勤などで歩いているとき、筋肉が働いているのは誰にでもわかるでしょうが、身体が動いていないときにも、筋肉は働いています。たとえば机に向かって一心に考えているときや、電車の吊革につかまってじっと立っているときなど、筋活動が行われていないように見える場面でも、その体勢を維持するのに必要な筋肉が、重力に抗して身体を支えています。これがプラスの作用です。 一方で、多くの人は身体に余計な力が入ることで筋肉が無駄に力んでしまっています。そして、この力みが身体および脳にストレスをかけ、身体疲労・脳疲労を増大させています。この筋肉の「力み」からくるダメージがマイナスの作用です。 筋肉がなかったら、あるいは筋活動がまったく行われなかったら、私たちは生きていけませんが、筋肉があることで「誤った使い方をしかねない」という大いなるマイナスに直面することとなり、ある面では足を引っ張られて生きているとも言えるのです。 しかし、人間は「筋肉をもたない」ことは選択できません。と同時に、もって生まれた筋肉を「使わない」という選択もできないのです。 これは現代人に限った話ではなく、私たちに遺伝子を伝えてくれた祖先にとってもそうでした。彼らも筋肉を使って生きていたし、生きていかざるを得なかったのであり、私たちの遺伝子を受け継ぐであろう子孫も、みな筋肉を使って生きることになるはずです。 つまり私たちは、遺伝的に筋肉を備え、それを動かして生きねばならない存在なので す。この意味で筋肉は「遺伝子のレベルで」「使われるべきものとして存在している」のであり、筋活動の能力を適切に維持し、質的に高めていかなければ、私たちの生存の可能性は狭まってしまいます。 だから、筋活動の機会が極度に減った現代社会では、筋トレの重要性がいやがうえにも高まっているのです。