【日本ハム】今季8試合登板 わずか1勝のサブマリン…"恩師"である指揮官のため巻き返しを目指す
今季大躍進を遂げた日本ハム。中でも目立ったのは、新たな戦力の台頭だ。野手では水谷瞬、郡司裕也、水野達稀といったフレッシュな顔ぶれの活躍も目立った。 【動画】ここまで飛ぶ?水谷が戸郷から放った3号ソロシーン 開幕早々に上位に躍り出ると、交流戦で一時沈んだものの、夏場以降も勢いを落とさず、レギュラーシーズンを新庄剛志政権下では初となる2位フィニッシュ。CSファイナルステージまで進むなど、充実したシーズンとなった。 一方、その裏で、悔しいシーズンを過ごした選手もいる。鈴木健矢もその1人だろう。昨年はキャリアハイとなる6勝をマーク。先発、中継ぎとしてチームの勝利に貢献した。 先発ローテーション入りを目指した5年目の今季は、春先のキャンプで行われた紅白戦からアピールを続け、3月9日のオープン戦(静岡)では5回を投げ無失点とアピールに成功した。 しかし今季は投手陣充実もあり、先発ローテ―ションはし烈な争いが続いた。開幕は中継ぎスタートから始まった。 初の先発の舞台がめぐってきたのは4月25日の楽天戦(モバイルパーク)。4回を投げ2失点。翌週の5月3日のオリックス戦(京セラ)では6回途中無失点の好投で今季初勝利を挙げた。 その後は再びリリーフに戻り一軍とファームの行き来が続いた。6月6日の広島戦(マツダ)で再度先発のチャンスが回ってきたが、初回に末包昇大に2ランを浴びるなど、5回3失点で敗戦投手に。これが今季最後の1軍登板となった。 昨季は24試合に登板、その内12試合に先発し6勝を挙げるなど、ローテーションピッチャーとしての素質はあるものの、チーム事情も絡み、リリーフとしても活躍。飛躍を誓った今季も同様の起用法となった。 日本ハムにおいては先発陣の層が厚い。開幕投手を務めた伊藤大海、左腕の加藤貴之、FA移籍の山崎福也の3本柱が規定投球回に到達するなどしっかり試合を作り、さらに大卒2年目シーズンとなった金村尚真が続いた。ほかにも北山亘基、育成から支配下となった福島蓮、助っ人のドリュー・バーヘイゲンなど、他球団垂涎の先発陣のラインアップとあって、鈴木だけではなく、ほかの投手も先発、リリーフと役割を変えつつ、シーズンを送る選手も多かった。 一方、鈴木といえば、ブレイクのきっかけとなったアンダースローは新庄監督の勧めで取り入れた経緯がある。それまで伸び悩んでいた右腕にとってこれが転機となり、才能が開花していった。 1軍を支える投手陣が好調だったこともあり、今季はなかなか出番が回ってこなかったが、貴重なアンダースロー投手として来季は恩師のためにも再び存在感を示したいところ。パ・リーグ強打者相手にどんなピッチングで抑えていくのか、引き続きの活躍を期待したい。 [文/構成:ココカラネクスト編集部]