韓国地裁 日本政府の資産開示巡る原告の抗告を棄却=慰安婦訴訟
【ソウル聯合ニュース】旧日本軍の韓国人慰安婦被害者12人の訴えを認めて日本政府に損害賠償を命じた2021年1月のソウル中央地裁の判決(確定済み)を巡り、同地裁が日本政府に韓国国内にある財産の目録を開示するよう求めていた決定を取り消した問題で、これを不服とする原告の抗告が棄却された。法曹関係者が31日までに明らかにした。 原告のペ・チュンヒさん(故人)らは2013年8月、日本政府に対し慰謝料の支払いを求める民事調停を申し立てたが、日本政府が訴訟関連書類の送達を拒否して調停が成立しなかった。原告の要請により16年1月に正式訴訟に移行し、ソウル地裁は21年1月、日本政府に対し原告1人当たり1億ウォン(約1100万円)の賠償を命じた。日本政府側は、裁判所が他国を訴訟の当事者として裁判を行うことはできないとする国際法上の原則「主権免除」を主張して出廷せず、判決は確定した。 これを受け、原告側は21年4月、日本政府が韓国内に所有している資産目録の開示を申請。地裁はこれを認め、22年3月21日までに目録を提出するように命じる決定を出した。 一方、日本政府は地裁が送った韓国内の資産目録の開示を命じる書類の受け取りを拒否。地裁は「債務者に書類を送達したが返送され続け、(書類を受け取ったとみなす)公示送達以外には他に送達する方法がない」とし、「宛先不明」を理由に資産開示を命じる決定を取り消した。 原告側は決定の取り消しを不服として即時抗告していた。 抗告審で地裁は公示送達以外には他に送達する方法がないのであれば、資産開示命令の決定を取り消し、開示申請を却下するのはやむを得ないと説明した。 原告は抗告審の決定に再抗告し、大法院(最高裁)の判断を求めることができる。ただ、大法院の判断にかかわらず、資産の差し押さえや現金化手続きが実現するかは不透明だ。
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