「旦那とは合わない」「妻は俺の話をなんでも否定する」 老後に夫婦仲が悪くなるのはなぜなのか。老後の「ギスギス夫婦」と「おだやか夫婦」の決定差
また何度同じことを言っても憶えていないことも、家族をいらつかせるものです。患者さんの不合理な行動や発言を「聞き流せるようになる」には、1年以上かかります。 ですが、家族が聞き流せる余裕を持てるようになると、不思議なことに、患者さんの認知症の症状も落ち着いてくるのです。いつも否定ばかりされていたのが怒られなくなったというのは、本人にとっては非常に快適な環境になったと思えるのでしょう。 ■普段も使える聞き流しの術
「聞き流しの極意」は、認知症の家族を抱えたケースにだけ使えるものではありません。たとえば、自分の意見を否定されたときにも応用できます。 相手のネガティブなパワーをさらりとかわすのです。「そうだね」「いいんじゃない」「そうそう」と同意することは、相手にとって非常にうれしいものです。 さらに「褒める」ことができれば、認知症の患者さんであろうと、家族であろうとすごくうれしいことであり、脳にとってもプラスに働きます。否定感などのネガティブな感情は脳にストレスをかけていくので、できるだけ避けるべきです。
聞き流しの極意にさらに相手を褒める力があれば、高齢になっても、たとえ相手が認知症になっても、平静でいられます。聞き流して、褒めるということまでできれば、自分の脳自体が活性化します。もちろん相手にもいい影響がでてきます。 否定してくる相手を「褒めて」「かわす」。これが、最上級者の会話術でもあります。 アルファポリスビジネスの関連記事 「何もかも面倒くさがる高齢者」に医師が伝えたいこと酒飲みはボケやすい? 高齢者はお酒とどう付き合うべきか「長生きしたくない」と考える高齢者が日本に多い訳
アルファポリスビジネス編集部