【仮面ライダーヒロイン名鑑】『仮面ライダー鎧武』志田友美「私の心が絶対に折れないのは『仮面ライダー鎧武』の経験があったからです」
──まさしく転機だったんですね。 志田 絶対にそこで私は強くなったと思います。その後、撮影中に、岩手のおじいちゃんが亡くなった知らせを受けたんです。メイクをしているときに聞いたんですけど、もうすぐ撮影がある。大好きなおじいちゃんで、私は"じじ"って呼んでたんですよ。じじのことが大好きだったし、本当に悲しかったけど、撮影に影響があったら絶対にいけないじゃないですか。でも、その前の経験で強くなれていたからこそ、しっかり気持ちを切り替えて撮影に臨めました。天国のじじが見守ってくれているとも思ったし。 ──おじいさまは、それまでの放送も見ていてくれたでしょうしね。 志田 見てくれていたと思うんですけど、めっちゃシャイで、私が帰郷しても私には興味ないみたいな態度の人だったんです(笑)。私は、じじのこと大好きだったんですけどね。でも後から聞いたら、自分の友だちに私が出てる雑誌を見せて、『これ、うちの孫だからよ』とか言って自慢してたらしくて。実はそうだったんだって、うれしかったです。これ、初めて話す話なんですけど。 ──『仮面ライダー鎧武』での経験を通してどんなものを得られたと感じていますか? 志田 ちょっとやそっとじゃ折れない心ですね。何があっても、『自分は絶対できる!』という自信ができました。今までの仕事の中で、心も体も『仮面ライダー鎧武』が一番大変だったので、あれよりつらいことってないなって(笑)。 収録が終わり、2019年12月まで夢アドのメンバーとして活動していたんですけど、そのときもけっこう大変だったんですよ。岩手で個人の撮影があって、そのあとに東京に戻ってTIF(Tokyo Idol Festival)に出演して、また岩手に戻り仕事して、次の日に大阪とか(笑)。普通に考えたら心が折れそうな日程だけど、『仮面ライダー鎧武』での経験があったから大丈夫だったというか、『自分は絶対できる!』と思えて頑張れました。 今、2歳の娘の子育てをしているんですけど、やっぱり大変なことは多いです。でも、それをちゃんと乗り越えられているのは、その時の経験が活きていると思います。それ以外にもいろんな苦労がありましたけど、『仮面ライダー鎧武』時代の過酷さに比べたら全然平気(笑)。今の私が何があっても心が折れないのは、絶対に当時の経験があったからです。 ──志田さんの人生において大きな財産、力になっているんですね。 志田 放送から10年以上経った今も、キャストやスタッフさんとのグループLINEが動いているんです。本当に仲が良くて、絆が深いんです。それも、私の心の支えになっています。いつになるかはわからないですけど、またみんなで集まって、『仮面ライダー鎧武』ファンの方たちに喜んでいただける企画を何か実現させられたらいいですよね! ●志田友美 Yuumi SHIDA1997年2月11日生まれ 岩手県出身○『Popteen』の専属モデル、アイドルグループ・夢みるアドレセンスのメンバーとして活躍し、現在はモデル、女優として活動 取材・文/大久保和則 撮影/荻原大志 ©石森プロ・東映