「自分の手を汚さない」霊能力者かたり父殺害させたか 美人局も主導 48歳女の真実とは【宮城発】
元夫の新しい妻にも売春させる
2009年に敦子被告が離婚してからは、敦子被告の元夫に慰謝料を請求。元夫の新しい妻に売春をさせて“売り上げ”から慰謝料を抜いていく。一方で、売り上げの一部は生活に困窮していた元夫たちの生活費にもなっていた。冒頭の「助けてもらえなくなる」という言葉は敦子被告に依存するようになっていた状況を示している。 売春グループはその後、遅くとも2021年ごろから、さらなる“売り上げ”を目指した美人局(つつもたせ)グループへと変容していった。元夫の妻がホテルで男性と売春し、直哉被告が出入りを撮影、元夫が男性に声をかけて、敦子被告が示談金を交渉する。だましとった金を分配するのは、リーダーの敦子被告だ。犯行を重ねるたび、メンバーは敦子被告への依存を深めていった。
3度目の結婚は「金銭目的」
一方で、敦子被告は2度目の結婚と離婚を経て2011年、ママ友の息子だった直哉被告の兄と3度目の結婚をする。敦子被告の元夫によると、直哉被告の父・村上さんは子供の面倒を見てくれる敦子被告を金銭面で支援していた。直哉被告の兄との結婚は村上さんの援助を受け続けるためだったという。 金銭目的とはいえ、義理の姉と弟という関係になった敦子被告と直哉被告。兄から暴力を振るわれたという敦子被告を励ますうち、いつしか肉体関係を持つようになった。直哉被告は兄への罪悪感を抱えながら、関係を続けていたと話す。
もう一人のキーマン
直哉被告の証言などによると、敦子被告は直哉被告が小学生の頃、母に暴力を振るわれていたときに引き取ってくれたという。生活も共にし、直哉被告は敦子被告によく噓を見抜かれたと振り返る。直哉被告は中学生になると、父親の村上さんと暮らすようになった。高校を卒業後、自衛隊に入隊するが、母に給料の8割を使われるなどされ、ノイローゼとなり除隊。2020年に警備会社へ就職した。その頃、直哉被告に謎の人物がLINEで接触してきたという。その人物は「敦子被告の後輩でサトウジュンイチ」と名乗った。 今回の殺人事件のカギを握る、霊能力者JUN(ジュン)との出会いだ。