亀梨和也、別作品の撮了直後にクランクイン「ずーっと全力で走り続けてここまで来たという印象」『ゲームの名は誘拐』現場レポート到着
亀梨和也主演の連続ドラマW 東野圭吾『ゲームの名は誘拐』(WOWOWプライム、WOWOW4K/WOWOWオンデマンド 6月9日(日)スタート 毎週日曜 午後10時~)より、クランクインレポートが到着した。 【写真】談笑する亀梨和也と見上愛 原作は、2002年に刊行された東野圭吾の小説「ゲームの名は誘拐」(光文社文庫刊)。主人公の広告代理店の敏腕プランナー・佐久間駿介(亀梨和也)が、手掛けていた大型プロジェクトから突如降板させられたことを機に、自分を引きずり下ろした大企業の副社長・葛城勝俊(渡部篤郎)に一矢報いるため、その娘・樹理(見上愛)と共謀して狂言誘拐を企てたことから始まるミステリーだ。 2003年に一度実写映画化され、2020年には本作を原案としたドラマが中国で制作されるなど、長年にわたり世界中のファンを魅了してきた人気作。佐久間と葛城の一進一退の“攻防戦”、誘拐犯・佐久間と共犯者・樹理との間で育まれるいびつで危険な“恋愛模様”、完璧だったはずの佐久間の誘拐ゲームに待ち受ける“全てが覆る衝撃のラスト”が見どころとなっている。 このたび、亀梨と見上の撮影初日の現場レポートが公開。2人の初対面の様子や、早朝からの撮影を終えた亀梨のコメントも到着した。 <現場レポート> 2023年10月初旬のある朝、亀梨と見上は同時にクランクイン。佐久間(亀梨)と樹理(見上)が、昔ながらの喫茶店で話している第1話のシーンが、2人の初顔合わせの場となった。 自信を持って進めていたプロジェクトを、クライアントである日星自動車の副社長・葛城(渡部篤郎)によって白紙にされ、プライドをズタズタにされた佐久間。じくじたる思いを抱えて葛城邸にやってきたところで、娘の樹理がこっそり家を抜け出す場面に遭遇する。気になった佐久間は樹理に声をかけ、喫茶店へ。そこで彼女の話から葛城という人物を探るという重要な場面だ。 まず見上がにこやかに店に入って奥の席へ。その少し後に亀梨が凛々しいまなざしで現れると、2人は「よろしくお願いします」とお互いに簡単なあいさつを交わし、スタッフの「クランクインです!」という高らかな宣言で現場が回り始める。大勢の拍手に迎えられた亀梨はスタッフたちをゆっくりと見回し、表情を緩めて丁寧に一礼。その後、全話の演出を手掛ける鈴木浩介監督から、喫茶店で向かい合って話す2人をどの角度から撮っていくかの段取りの説明がなされ、すぐにテスト撮影へと移る。樹理はなぜ家を出たのか、その経緯を説明する長めの会話がミスもなくサクサクと進められていく様に、2人の入念な準備のあとがうかがえる。のちに聞くと、前夜遅くまで別作品の撮影に追われていたという亀梨。そんなことはみじんも感じさせない、プロフェッショナルな姿勢に驚かされた。 終始淡々と抑えたトーンで冷静に話す佐久間と、ときに子供っぽく、感情をにじませながら話す樹理。監督に「この段階では、佐久間はまだ(葛城を陥れるために樹理をどう利用するか)ノープランで話してますよね」と確認する亀梨に対し、「そう、だから準備している感じは出さないほうがいい」と鈴木監督。「明確な準備はしていないけど、佐久間の中では既にいろんな計算が始まっている感じかな」というアドバイスに、「そうですね」と亀梨も同意し芝居が再開される。コーヒーを飲みながらひと息入れ、考えを巡らせながら話しているようなニュアンスで、佐久間の心理を巧みに表現していた。 亀梨が演じる佐久間の物腰はとにかくスマートだ。監督が見上に対してディレクションしている間も、襟やネクタイなどの身なりを整えてたたずむ亀梨の姿があったが、セットチェンジになるとその空気は一転。なぜか唐突に「あかりをつけましょぼんぼりに~♪」と、童謡の「うれしいひなまつり」を口ずさみながら、外の空気を吸いに出て行く亀梨のおちゃめな一面が顔を見せた。初日の緊張感が漂う現場で、絶妙に肩の力が抜けた座長の姿に引っ張られ、見上も自然と笑顔をこぼしていた。 続いてホテルに移動し、佐久間と樹理の“誘拐ゲーム”が動き出す序盤の重要シーンの撮影へ。家に帰りたくないという樹理を宿泊させるため、ホテルにチェックインをして部屋まで連れて行く一連を、亀梨は無駄のない動きでシャープにこなす。「スン! といかないといけないからね。こうスッと流れるようにやらないと(笑)」と、ことあるごとに場を和ませる姿が印象的だった。 そして撮影は進み、続いて部屋の中でのシーンへ。樹理に「冷たいシャワーでも浴びてこい」と言い放つせりふを「浴びろ」と修正していくなど、言葉尻まで芝居を探っていく様子に、亀梨の役作りへの細かなこだわりが感じられる。ひねくれた面がありながらも、お嬢さまらしい天真爛漫さを醸し出す樹理と、冷静で頭の回転が早く、表情にも仕草にもスキがない佐久間。その対比がしっかりと表現されたシーンに仕上がっていた。 現場入り時には、初日ならではの緊張感を携えているように見えた亀梨。しかしこの日、いくつもの大事なシーンを撮り終えたころには「ゲーム、始まっちゃったね(笑)」と自然な笑顔を見せるように。葛城への反抗心から見上が感情を高ぶらせた芝居をすれば、受け止める側の亀梨は大人ならではの柔らかいリアクションになる。絶妙な2人の関係性がこの先、どのように変化していくのか。完成が待ち遠しくなるような、初日の風景だった。