スカウトが注目する東海3県のドラフト候補を紹介【野手編】…目玉は豊川のモイセエフ、神村学園伊賀の主砲・寺井も迫力満点
◇尾関雄一朗コラム「アマチュア野球取材ノート」 夏の高校野球シーズンが到来する。東海3県で特に注目したいドラフト候補、有力選手は誰か。取材した試合などに居合わせたNPB12球団スカウトを突撃し、目の前でプレーする逸材について感想を聞いてきた中から、記者が厳選して「野手編」「投手編」の2回に分けて紹介する。第1回は野手編。
◆豊川・モイセエフ・ニキータ、日本人にはないパワー
目玉は愛知・豊川のモイセエフ・ニキータ外野手で決まりだ。ロシア人の両親をもつ長距離砲で、センバツで本塁打を放った。「東海地区の打者では真っ先に挙がる存在。日本人にはないパワーをもっている」とヤクルト・橿渕聡スカウトデスク。西武・潮崎哲也スカウトディレクターは6月の招待試合で今朝丸裕喜(報徳学園)との対決を視察した。「たまたま結果は二塁ゴロ2つだったが、ヘッドスピードが速い。上半身がさらに大きくなったように見えて意識の高さも感じる」と話した。
◆愛工大名電・石見、転向した遊撃守備に成長
今春のセンバツ大会に出場した愛知・愛工大名電からは、今朝丸から2安打を放った強打者の石見颯真内野手の名前が挙がる。石見については転向したての遊撃守備もチェックポイントだった。「まだ経験値は低いが、努力や成長を感じる。肩が強く、足を使った遊撃手になりつつある」(オリックス・下山真二スカウト)という。
◆中京大中京・山田、パンチ力にミートも◎
昨夏の愛知大会決勝で2本塁打を放った中京大中京・山田頼旺は「パンチ力があり、ミートもうまい。昨年の印象が強いが、もっと打ってほしい」(広島・松本有史スカウト)とさらなる爆発が望まれる。
◆神村学園伊賀・寺井、体格よく飛距離が評判
三重県では、創部5年目を迎えた神村学園伊賀の主砲・寺井広大外野手が迫力満点。「体格がよく飛距離が出る。スイングが柔らかく、バットコントロールを生かした対応力もある」(巨人・木佐貫洋スカウト)と評判だ。 ▼尾関雄一朗 1984年生まれ、岐阜県出身の野球ライター。東海地区を中心にアマチュア野球(高校/大学/社会人)を取材し、野球雑誌やウェブサイト、書籍などで記事を発表している。取材歴は15年を超え、プロ球団スカウトとも親交が深い。
中日スポーツ