タコの価格高騰…マグロ上回る水準に たこ焼き店「上がり続けるならタコ以外の食材も」
タコの価格が高騰しています。総務省の10月の小売物価統計によると、タコは100g513円、一方マグロは492円とタコがマグロを21円上回っています。 【動画特集】タコの高騰が止まらない!マグロ超え…たこ焼き職人も頭をかかえる現状を取材
タコの価格高騰続くなら…別の食材で代替?
影響を受けているのが、たこ焼き店です。たこ焼き店を始めて46年になる熊本市の田上和敬さん。当初は、1キロ500円程度で仕入れていましたが、今は1キロ2480円くらいだと言います。 「昔はデビルフィッシュと言われて、タコは忌み嫌われてあんまり食べられなかった。お寿司が世界的に広がったことで、地中海でしか食べなかったタコがヨーロッパ全土で食べるようになる、中国で食べるようになる、それで、日本に入る量がヨーロッパにいったりとか他のところにいく感じ。それでまたタコが上がっていく…」 子どもたちにも気軽に楽しんでもらいと、15個400円の格安価格を維持してきましたが、10月に500円に値上げしました。 「これ以上、どんどん上がるなら考えていかないといけない。考えているのは、豚のハラミの食感がわりとタコに似てるんですよね、親指くらいに切って、どうにかしてできんかなと」
熊本県内のタコ漁獲量減少…要因は
海外での需要が増えただけでなく、円安や輸送費の上昇によってもタコの価格が上昇していますが、さらに熊本県内では、タコの不漁も起きています。 「タコ街道」として有名なタコの名産地、天草市有明町でも漁獲量が減っています。漁協の組合長も「タコのエサが少なくなったとか、気温が高くなったとか、雨が多かったとか、いろんな要因では」と話します。
熊本県内でみても、1974年に過去最高の1597トンを記録したタコの漁獲量は、減少の一途を辿っていて、2022年には238トンとなり、最盛期の7分の1近くまで減少しました。
また、タコだけではありません。鮮魚店によると、おせちの具材も価格が上がっているといいます。 タコと同じように、熊本県で漁獲量が減少しているのは、シラスやアジ、タイ、ヒラメ、車エビ、伊勢エビ、アワビ、サザエなど。減少の要因の一つは海水温の上昇だとみられています。 熊本県によると、海水温が上がることで、海藻を好む南東系の魚の活動時期が長くなり、タコなどの住処となる藻場が減少。また、そこに住むタコなどのエサも少なくなっていることが考えられるとしています。