八村塁「今の方針の日本代表ではプレーしたくない」「日本のバスケを思って言っている」
【ロサンゼルス=帯津智昭】米プロバスケットボール協会(NBA)、レーカーズの八村塁が23日(日本時間24日)のナゲッツ戦後、日本協会の考え方や男子日本代表の強化体制に改めて苦言を呈した。「(代表は)もちろん、やりたい」と言いつつも、「僕は勝ちたいからやっている。日本のバスケのためを思って言っているだけ。(現在の)そういう方針で行っている日本代表ではプレーしたくありません」と言い切った。 【写真】トム・ホーバス監督ら日本代表の記念撮影。八村塁だけ白けたような表情(7月10日)
試合後、約10分にわたって八村が語った。「僕が日本代表でやるときは、日本のためにやっている。僕はただ単に勝ちたい、勝ちたいからやっているだけ」。代表への思いを語るうち、口調は熱を帯びていった。
パリ五輪で代表の指揮を執り、続投となったトム・ホーバス監督については、「世界のレベルの練習の仕方ではないし、ミーティングもそうだし、フィルム(映像を見てのミーティング)のやり方も世界レベルではないんじゃないかなと思う」と指摘。五輪前の強化試合で主力不在の豪州や若手主体の韓国に敗れた点を挙げ、「コーチの履歴としては、女子でしかやっていない。日本の女子のバスケで勝ったからといっても、日本の男子と女子のバスケがまずそもそも違う。プロの男子もやったことないのに、そういうコーチを、女子のバスケから男子のバスケに動かして、それで勝てるという考えはおかしい」と、日本協会が続投を決めたことを批判した。
続投の発表前に日本協会と連絡を取り合ったことはなかったとし、「(協会が)正直、本当のことを言っていない。決める前に、僕は何もコーチとも話していないし、JBA(日本協会)とも話してない。僕にコミュニケーションは何もなかったし、パブリック(公の場)にそうやって嘘をつくのはよくないんじゃないか」。その上で、「プレーヤーファーストという精神は、あまり僕は見られない。自分たちの利益になることを先にやって、そのお金を何に使っているか、僕はわからない。そういう中で、子供たちが見て、『僕もそういう風になりたい』という、そういう日本代表ではないと僕は思う」と強調。「僕がこれを別に言わなくてもいいことであって。でも、本当に日本のバスケのために思って言っているだけ。そういう方針で行っている日本代表ではプレーしたくありません」と力を込めた。