世界最大級のゴルフ場運営会社が誕生するまで… PGMとアコーディア・ゴルフの成り立ちを振り返る
不良債権(預託金債務)と資産(ゴルフ場)を切り離し資産価値を再構築
ローンスターは西武百貨店グループの西洋環境開発が所有していたゴルフ場5コースをひとまとめにしたプレミアゴルフという会社の買収を皮切りに日本のゴルフ場再生ビジネスに本格参入しました。 その後、エスティティ開発11コース(2002年)、地産グループ16コース(2003年)、大洋緑化14コース(2004年)、日本ゴルフ振興グループ28コース(2004年)などを飲み込んでいきました。 ゴールドマン・サックスは和議から民事再生に転じた日東興業29コースを皮切りに、スポーツ振興グループ30コース(2003年)、緑営グループ20コース(2003年)などを束ねていきました。 ローンスター陣営は2004年12月にPGGIH(パシフィックゴルフグループインターナショナルホールディングス株式会社)を設立。この会社を2005年12月に東証一部上場させました。 ゴールドマン・サックス陣営は2003年5月に既存の会社を商号変更する形で株式会社アコーディア・ゴルフを誕生させます。ここにゴルフ場運営子会社を連結させながら2006年11月に東証一部上場を果たします。 両陣営が激しいゴルフ場買収合戦を繰り広げている最中は、どちらかが勝ち残り、どちらかが撤退するのかなと思いながら眺めていました。ところが両者とも東証一部に上場し、上場時の売出と上場後の売却で利益を確定させ、自分たちの国にさっそうと帰っていく姿を見て、「そんなお金の稼ぎ方があるのか!?」と目が点になりました。 そもそも両陣営に外国人プレーヤーはほとんどいませんでした。PGMの初代社長はアメリカ人でしたが、それ以外は海外企業や海外のゴルフ場で経営実績がある日本人プレーヤーばかりでした。今になって振り返ると、両陣営がお互いの利益を最大化するためにバランスを取り合っていたのかもしれません。
保井友秀