主根を太く伸ばしていること新たに確認 樹木医会が「六軒町のサイカチ」調査 館山(千葉県)
県樹木医会のメンバーが16日、9月の強風で根っこの部分が傷ついた館山市北条の「六軒町のサイカチの木」の状況を確認したところ、地中で想定外に太い根を伸ばしていることがわかった。来年初めに樹木医会などが改めて木の状況を詳しく調べ、保護に向けた取り組みを強めることになった。 調査には、樹木医11人と、保護活動に当たる市民グループ「サイカチの木を守る会」のメンバーが参加した。 調査に当たった樹木医の1人、齊藤陽子さん(78)によると、住宅の敷地と市道の境目にあるサイカチは、軟らかい土がある住宅敷地の庭側に向けて、太くてしっかりした主根を長く伸ばしていたという。 このため、来年2月か3月に、樹木医会の勉強会も兼ねて木の朽ちている部分と生きている部分を詳しく調べ、“外科的”な手術の方策などを改めて検討することになった。 この木は、2019(令和元)年台風の強風で横倒しになり、再生が危ぶまれたが、昨年になって主根とは別に「不定根」と呼ばれる新たな根を伸ばし、生きていることが確認された。不定根は、わかっているもので3本あるという。 齊藤さんは、新たにわかった主根の状況も踏まえ、「サイカチは、自分で生きようとしている。市と市民で力を合わせ、残していきたい」と話す。 守る会はこの日、市内の城山公園で始まった「たてやまガーデンウイーク」に合わせ、六軒町のサイカチから接ぎ木して育てた2本の苗木を植えた。六軒町のサイカチの「きょうだい」として、こちらも大切に育てていくことにしている。 (斎藤大宙)