SNS求人「経理の仕事しませんか」、実際は警備員…ベトナム人29人単純労働させた容疑
高度な専門人材として来日したベトナム人らに資格外の単純労働をさせたとして、大阪府警は27日、大阪市西成区の警備会社社長の男(41)(大阪市鶴見区)ら男女2人を入管難民法違反(不法就労助長)容疑で逮捕したと発表した。府警は、2人が警備会社の人手不足を補うため、実態がない別の会社で高度人材として雇用したように装ったとみている。
他に逮捕されたのは、不動産会社社員でベトナム国籍の女(28)(同市西成区)。発表では、2人は共謀し2021年7月~24年1月、「技術・人文知識・国際業務(技人国)」などの在留資格を持つベトナム人29人を、工事現場などの警備員として働かせた疑い。
男は容疑を否認し、女は黙秘しているという。
府警によると、男は、役員を務める不動産会社でベトナム人らを通訳などとして雇用。同社社員の女が「不動産会社で経理の仕事をしませんか」などとSNSに求人の投稿をしていたという。
不動産会社に稼働実態はなく、応募したベトナム人らは男の警備会社で働かされていた。警備会社では、少なくとも約60人のベトナム人が不法就労していたという。
このベトナム人らに「技人国」の資格を取得させるため、男と共謀して大阪出入国在留管理局に虚偽の申請書を提出したとして、府警は11月、大阪市中央区の行政書士の男(46)を入管難民法違反(在留資格の不正取得助長)容疑で書類送検した。