広島・田村俊介 〝3つの悔しさ〟糧に逆転CS導く「先を見ず目の前の1試合を勝てるように」
広島・田村俊介外野手(21)が9月30日、“3つの悔しさ”を糧にチームのCS出場に貢献する姿勢を示した。昨年9月17日・中日戦で左手小指を骨折して離脱。今年は28日に目の前で巨人の優勝、胴上げを許す屈辱も味わった。23日の1軍再昇格後は5試合で打率・308。開幕カードで11打数無安打に終わった敵地・横浜スタジアムでDeNAを叩き、チームを逆転CSに導く。 胸に刻んだ悔しさは、残り試合での原動力になる。残り4試合で1日は3位・DeNAとの直接対決。自力でゲーム差を縮められる最後の機会を必ずモノにしたい。田村は「1試合1試合、出ている時間を大切に。残り試合も少ないので、思い切っていきたい」と腕をぶした。 過去に味わった3つの苦い思いをぶつける期間にもなる。昨年は9月17日の中日戦で左手小指付近に投球を受けた。痛みに耐えきれずグラウンドにうずくまり、病院に直行。「左小指中手骨骨折」と診断され、離脱を余儀なくされた。 チームはその後、CSファイナルSまで駒を進めたが、そこに田村の姿はなかった。「一番は(CSに)出たいですけど、1試合1試合が大事になる。先を見ず目の前の1試合を勝てるように。自分も勝ちに貢献できるように」。昨年の不完全燃焼があるからこそ、闘志をみなぎらせた。 チームは9月を5勝20敗で終えた。同4日まで首位の座をキープしながら急失速。28日の一戦で巨人が優勝し、マツダスタジアムで胴上げが繰り広げられた光景を田村はベンチで目にしていた。 「めちゃくちゃ悔しいなと思った。争っていたチームなので、勝ち切れなかったというところが悔しいですし。自分も今年は(状態が)上がったり下がったりでずっと安定しなかった。悔しいなと思いました」と率直な心境を明かした。Aクラス入りの可能性が残されている今、勝利につながる一打を求めていく。 2軍にいた8月ごろから打撃に気持ちの面で変化を加えた。「ベンチで準備してそのまま打席に入るのではなく、ひと呼吸置いて入ろうと。“自分の間”で入るようにするとファームでも少し結果が出始めて、四球を取ったり、いい方向にいっている」と今後も自分主導の間合いで勝負していく構えだ。 横浜スタジアムでのプレーは自身にとって開幕カード以来になる。初の開幕スタメンに名を連ねた開幕3連戦は、計11打数無安打に終わった過去がある。「(試合に)出してもらっているので、いい結果で応えたい」と意気込んだ田村。チームの停滞ムードを打ち破る快音を響かせ、Aクラス入りへの望みをつなぐ。