白銅、福岡工場(筑後市)を開設。薄板・形材販売を強化
非鉄流通大手の白銅(社長・角田浩司氏)は福岡県筑後市に国内6拠点目となる福岡工場を開設する。アルミ・ステンレスの薄板・形材(形鋼)販売を強化するもので、11月末までに建屋の賃借契約を締結。加工設備や素材を移設し、来週16日から稼働を始める。アルミ・ステンレスの厚板・丸棒を主力とする九州工場(佐賀県鳥栖市)は佐賀工場に名称を改め、九州2工場体制で販路拡大を目指す。 福岡工場は佐賀工場から自動車で40分、九州自動車道八女インターチェンジから10分に位置する福岡県筑後市に開設する。既存建屋を賃借するもので、事務所棟110平方メートル(2階建て)と工場建屋4400平方メートルから成る。佐賀工場と比べて工場棟は2倍程度の広さを持つほか、同一敷地内には工場棟(3800平方メートル)がもう1棟あり、事業規模が拡大すればこの建屋の賃借も検討している。 今月16日に10人体制で稼働を開始する福岡工場は、アルミ・ステンレスの薄板と形材(形鋼)の在庫・加工を手掛ける拠点で、担当エリアは佐賀工場と同様に九州一円と山口県。稼働当初は32品目736アイテムで約100トンの在庫を置くほか、バンドソー1基、シャーリング1基で加工を始める。来年初めには丸鋸切断機とビニル貼り設備の導入も決めている。また中長期的にはレーザ切断加工機の導入なども視野に入れる。 厚板や丸棒を得意としていた白銅は近年、さらなる事業の拡大を目指して薄板販売を本格化している。今回の福岡工場開設もその一環で、佐賀工場に薄板用の余力スペースが確保できなかったため、新拠点の開設に踏み切ったもの。 白銅は九州エリアでは半導体製造装置産業向けの販売比率が高く、「足元で8割を超える水準」(角田社長)という中、アルミ・ステンレスの薄板販売では「建材や造船といった半導体製造装置以外の新規市場開拓を進めたい。そのためには価格勝負ではなく、ネット販売やクイックデリバリ・クイックレスポンスといった付加価値で競合と差別化を図りたい」(同)とする。 白銅は九州地区での在庫・加工能力拡大にめどをつけたが、今後は関東地区でも薄板販売拡大に向けて能力アップを図る。角田社長は「関東で薄板販売を本格的に行うには神奈川工場(神奈川県厚木市)も埼玉工場(埼玉県加須市)もスペースが足りない。埼玉工場の拡張や新拠点の開設も含めて土地などの選定に入っている」と述べるなど、さらなる業容拡大を図る。 福岡工場の住所など詳細は次の通り。 ▽住所=〒833―0034 福岡県筑後市大字下北島字西久清791―1 ▽電話=0942―48―7000 ▽FAX=0942―48―7010