〈CES2025〉アマゾン、AWSでホンダやヴァレオと連携 次世代EVやADASの設計開発から走行データ活用まで
「CES2025」では、ソフトウエ・デファインド・ビークル(SDV)支援や人工知能(AI)活用に関する協業の発表が相次いでいる。米アマゾングループのアマゾンウェブサービス(AWS)は、仏ヴァレオやホンダと連携。設計・開発の効率化や、走行時のデータ取得などを支援する。 ゼロシリーズの詳細写真を見る AWSとヴァレオの協業では、先進運転支援システム(ADAS)やインフォテインメントシステムなどの開発・テスト・検証を迅速化させるのが狙い。例えば、仮想環境を活用し、ECU開発サイクルを最大で40%短縮できるようにする。また、実際のハードが必要となるテスト段階向けでは、クラウドでソフト開発のワークフローを構築し、ソフトの開発と検証を加速させる。AWSは「協業を通じて、ヴァレオが顧客向けに高速で効率的なSDVソリューションを開発し続けられるようサポートする」としている。 AWSとホンダの連携も発表された。次世代電気自動車(EV)などの商品力強化に向けて、AWSのプラットフォームを採用する。性能や走行距離など走行時のデータを収集し、AWSに保存する。ハード依存を減らし、開発段階でエンジニアらがクラウドで設計・テストできるようにして、工程全体の期間を短縮する。仮想環境の活用により実環境に比べてコスト削減も可能となる。車両の品質や安全性、自律性向上にも、クラウドの接続・管理にAWSのIoT(モノのインターネット)サービスを活用し、継続的なソフト開発や更新につなげていく。 また、映像処理などでも、端末からライブビデオをストリーミングするアマゾンのサービスを活用する。同サービスはインフラ管理が不要で、カメラ映像の保存・分析・機械学習が可能となる。車外の不審な動きを検知するため、衝突回避に向けたドライバーへの警告などに役立つという。 さらに、アマゾンの生成AIサービスも組み込み、車両から収集したデータを分析。運転者の行動パターンや志向のほか、現在地や電池残量、周辺の充電ステーション状況などを考慮し、最適な充電スポットを推奨する。 こうした機能は、CESで発表した新型EV「ゼロシリーズ」も想定している。