米下院、トランプ氏支持のつなぎ予算案を否決-共和議員38人が造反
(ブルームバーグ): 米下院は19日の本会議で、トランプ次期大統領が支持を表明したつなぎ予算案(予算継続決議案)を否決した。つなぎ予算案不成立の場合、連邦政府機関の閉鎖まで残り24時間余りとなっている。
法案は賛成174、反対235で否決された。ほぼ全員の民主党議員が反対票を投じたほか、38人の共和党議員が造反した。否決された法案には連邦債務上限を2年間停止する内容も含まれていた。
これに先立ち、トランプ氏と下院共和党は19日、連邦政府機関の閉鎖を回避し、連邦債務の上限を2年間停止することで合意。共和党のジョンソン下院議長が超党派で進めていたつなぎ予算案への反対を表明していたトランプ氏は、自身が立ち上げたソーシャルメディア「トゥルース・ソーシャル」への投稿で、新たなパッケージには被災者や農家への支援が含まれており、「米国民にとって非常に良いディールだ」と称賛した。
また、次期政権で歳出削減を主導する組織「政府効率化省(DOGE)」の責任者に起用されたイーロン・マスク氏はX(旧ツイッター)への投稿で、新たな合意はこれまでのものより「はるかに優れた法案であり、真の継続決議案に近い」とし、「民主党がこれを拒否し、政府機関が閉鎖されれば、中間選挙で大敗するのは当然だ」と述べた。
これに対し、民主党下院トップのジェフリーズ院内総務は、合意内容を「ばかばかしい」と一蹴。「過激な『MAGA(米国を再び偉大に)』のスローガンを掲げる共和党議員らが政府閉鎖に追い込んでいる」と非難していた。
法案否決を受けてジョンソン氏は「態勢を立て直して新たな解決策を講じる」とコメント。マスク氏はXへの投稿で「この上なく公平でシンプルな法案」を否決したとして民主党を非難した。
政府機関閉鎖を回避するための期限が20日に迫る中、下院共和党は19日、ジョンソン氏のオフィスで対応を協議。超党派で進めていたつなぎ予算を共和党議員が支持した場合、トランプ氏は議員の再選に反対する構えをみせていた。