トランプトレード、あらゆる市場で噴出-株、ドル、ビットコイン
市場にとって重要な未解決の問題は、共和党が上院、下院、ホワイトハウスのすべてを掌握する「三冠」を達成できるかどうかだ。さらにその先には、トランプ氏が選挙戦中の公約を実際に実行するかどうかという問題がある。
ピクテ・アセット・マネジメントのチーフストラテジスト、ルカ・パオリーニ氏は「今のリスクは、トランプ大統領が選挙戦中のトランプ候補とは違うかもしれないことだ」と述べた。「市場が最高値を更新している中、トランプ氏の政策が一部のセクターに大きな混乱をもたらす可能性があるため、われわれは非常に慎重になる必要がある。われわれはただ待つしかない」と付け加えた。
米株市場では、トランプ政権下で恩恵を受ける可能性が高いとアナリストが予想するセクターが上昇している。化石燃料エネルギー企業、銀行、製薬会社、刑務所経営会社、小型株が、開場前の取引で上昇した。一方、トランプ政権下で苦戦を強いられると見られるセクター、例えば再生可能エネルギー関連銘柄などは下落。
「最も大きな利益を得るのは、よりビジネスに適した規制環境を歓迎するセクターや業界だろう」と、フランクリン・テンプルトン・インスティテュートのチーフ市場ストラテジスト兼責任者のスティーブン・ドーバー氏は述べた。「しかし、いずれは債券利回りの上昇が株式相場上昇を抑えるかもしれない」とも指摘した。
投資家が、トランプ氏を支持するイーロン・マスク氏が経営する電気自動車メーカー、テスラがトランプ氏勝利から利益を得ると予想し、テスラ株は上昇。トランプ氏のソーシャルメディア企業、トランプ・メディア・アンド・テクノロジー・グループは一時62%上昇した。
為替市場では、ドルは1年ぶりの高値を付けた後、上げを縮めた。トランプ氏はドル安支持の姿勢を示しているが、投資家は同氏の政策がインフレをあおり、利下げペースを減速させ、その結果ドル高を招くと見ている。また、同氏が称賛する関税は、米国よりも海外経済に打撃を与える可能性が高い。