北朝鮮「いかなる防御壁も貫通する極超音速ミサイル」…韓国合同参謀本部「迎撃可能」
北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記兼国務委員長は、ミサイル総局が6日に行った新型極超音速中長距離弾道ミサイルの試験発射を参観し、「いかに緻密な防御の壁も効果的に突破し、相手に甚大な軍事的打撃を与えることができる」と述べた。7日付の労働新聞が報じた。韓国の合同参謀本部は、ミサイル飛行の軌跡から見て、極超音速ミサイルではないと反論し、北朝鮮が保有するどのミサイルも迎撃が可能だと主張した。 労働新聞はこの日「平壌市郊外の発射場から北東方向に発射したミサイルが音速の12倍の速度で1次頂点高度99.8キロメートル、2次頂点高度42.5キロメートルを記録して飛行し、1500キロメートル先の公海上の目標の仮想水域に正確に弾着した」と報道した。 金総書記は、今回の極超音速ミサイル発射が「太平洋地域の任意の敵を牽制」する「自主防衛のための構想と努力」だと明らかにした。「いかなる防御の壁も効果的に突破」できると強調しながらも、「米国」を特定しないかたちで米国に向けたメッセージ発信の水位を調節したのだ。今回のミサイルは、飛行距離を減らさずに発射した場合「B52爆撃機」などが配置された米国領グアムなどが打撃圏に入る。 合同参謀本部のイ・ソンジュン広報室長はこの日の定例ブリーフィングで「北朝鮮が主張する飛行距離と2次頂点高度などは欺瞞の可能性が高いと判断する」とし「2次頂点高度はなかった」と述べた。北朝鮮はミサイルが頂点に2回達したと発表したが、1回頂点に達しただけで、極超音速ミサイルの特性である2次頂点は現れなかったということだ。 極超音速ミサイルを規定する最も重要な特性は、発射後に上昇(1次頂点)して大気圏外に出て、大気圏に再進入した後に下降上昇(2次頂点)と下降を繰り返し、グライダーのごとく滑るように飛行(滑降)する段階で速度が「マッハ5以上」でなければならない。北朝鮮は、最高速度がマッハ12だったとし、滑降段階の速度は公開しなかった。 また、北朝鮮の主張のように、極超音速ミサイルはいかなる防御壁も破ることができるわけではない。イ・ソンジュン室長は「極超音速ミサイルは、縦深が短い朝鮮半島内では性能を発揮するのが難しいと判断する」と述べた。飛行距離1000キロの極超音速弾道ミサイルの場合、上昇段階の600キロまでの飛行軌跡は一般弾道ミサイルと似ており、この段階で韓国が防空システムで対応するには弾道ミサイルと変わらない。 イ・ジェフン先任記者、クォン・ヒョクチョル記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )