石破政権「地方創生2・0」の難しさ改めて浮き彫り 地方でも進む世帯数の減少
地方を中心に世帯数の減少が急速に進む現状が12日発表の「日本の世帯数の将来推計」で明らかになり、石破茂首相が掲げる「地方創生2・0」に向けた険しい道のりが改めて浮き彫りになった。首相は地方の人口減少対策や東京一極集中の是正に向けた基本的な考え方を年末にまとめる方針で、早急に実効性のある対策を講じる必要がある。 【年代別でみる】石破内閣を「支持する」が「支持しない」を上回った唯一の年代は? 首相は11日夜の記者会見で地方創生について「国全体の経済政策であり、多様化の時代の国民の幸せを実現するための社会政策と位置付けている」と述べた。同時に地域活性化に成功した事例を分析するために立ち上げる有識者会議に女性や30代の委員の起用し、議論する考えも示した。自治体向けの交付金を当初予算ベースの1000億円から倍増させる考えもすでに示しており、22日にも取りまとめる経済対策に明記する。 ただ、推計では全世帯のうち65歳以上の高齢者が1人で暮らす割合は地方を中心に高くなると予想された。深刻な見通しは、すでに平成26年に民間団体「日本創成会議」が、全国896自治体が「消滅可能性がある」と公表したことで問題視されていた。首相が掲げる「地方創生」は同年に第2次安倍晋三政権が打ち出したが、この10年間で人口減少の大きな流れは変えられなかった。 地方選出の首相は初代地方創生担当相でもあり、このテーマへの思い入れは強い。人口減少が進む地方の活性化を産業誘致や中小企業支援対策など複数の視点から捉えた対策が急務で、政権のレガシーとなるかが問われている。(大島悠亮)