「たくさんの人が『生き残れ!』と声を届けてくれた」復活した“新ホピ子”が持つ意味
さらに、復活したホピ子は、新たな可能性を秘めていた。チームとしては開幕戦に何とか間に合わせたという状態で、細かなセットアップなどが出来ていない状態。土屋監督は「生まれたての赤ちゃんのような感じ」と表現していた。
そのため、4月の岡山大会は苦戦することは確実かと思われたが、19番グリッドから着実に順位を上げ、時にはライバルと接戦のバトルを展開。最終的にポイント圏内まで届かなかったものの、14位でフィニッシュした。
「まだ生まれたての赤ちゃんみたいな状況で岡山大会を迎えました。だけど、ドライバー2人(松井孝允と菅波冬悟)のコンビネーションが素晴らしくて、ものすごいスピードで進化していって、レースでもあらゆることをトライしました」
「(チームの)運営面とかで戦える準備がまだ出来ていなくて、今回もレースをちゃんと戦えるかどうか分からないという状況でした。でも、普通にレースが出来ちゃったし、走り出しから普通に走れた。このポテンシャルを感じてしまうとレースがしたくなりますね」
レース後、つちやエンジニアリングを訪れると「皆さんのお陰で、やめずに帰ってくることができました! 本当にこんなに早くこんなふうに戻ってこられるとは思わなかったです」と心から安堵した表情で答えた土屋監督。多くの人の想いに支えられて復活したホピ子は、今までとは別の意味を持つという。
「(昨年までのホピ子は)やっぱり親父と約束したというところがスタートであって、それは若い子たちを育てるという環境を整えること。それがメインテーマでした。でも、これ(生まれ変わったホピ子)は、もう自分たちだけのクルマではありません。本当に支援してくれた皆さんのクルマで、それを預かっているっていう感覚です」
「皆さんに繋げていただいたおかげで、今ここに自分たちが居られます。本当にその皆さんからいただいた……“ご縁”なのでしょうか。それも金額の大なり小なりではなくて、本当に想いの強さがここに募っています。それをメカニックやドライバー、スポンサーさん全員が感じてやってくれています」
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