国際卓越研究大の2回目の公募開始、東京大や早稲田大など申請の見通し…第1号の東北大には154億円助成
文部科学省は24日、政府が設けた10兆円規模の大学ファンドで支援する「国際卓越研究大」に認定した東北大に約154億円を助成すると発表した。東北大は優れた教職員の登用や研究環境の整備などを進め、世界トップレベルの研究力を目指す。文科省は卓越大を数校認定する方針で、同日から2回目の公募も始めた。 【表】「国際卓越研究大」の2回目公募のスケジュール
文科省は最長で25年間、ファンドの運用益の一部を卓越大に助成する。11月に卓越大の第1号に認定された東北大は、助成条件となる研究体制の強化計画を文科省に提出。文科省は同日、計画を認可し、初年度分の助成額が約154億円に上る見通しだと発表した。
計画では、民間から受け入れる研究資金などを現状の11倍の959億円に増やすことや、教授をトップとする従来型の「講座制」から、若手も含め優秀な人材が独立して研究できる体制への転換などを盛り込んだ。
東北大はすでに、ガバナンス(組織統治)改革の一環として、大学運営を監督する「運営方針会議」を新設。議長に次世代半導体メーカー「ラピダス」の東哲郎会長が就任するなど、産業界との連携も強化する。
同日、東京都内で記者会見した東北大の冨永悌二(ていじ)学長は「若手の自由な発想に基づく研究を長期にわたって支援したい」と話した。
卓越大の2回目の公募期間は、来年5月16日まで。来年度中に文科省の有識者会議が書面や面接、現地視察で審査する。東京大や東京科学大、早稲田大など複数校が申請する見通しだ。