アルゴリズムとアナリティクスにハマるほどYouTube運営は失敗する理由
成果を「成功か失敗か」の二元論で判断しない
YouTubeは、マラソンのような息の長い施策です。成果を「白か黒か」で判断するのは危険です。特に、ひとつの動画が成功したかどうかだけでチャンネル全体の評価を決めてしまうことは避けるべきです。 バスケットボールに例えるなら、ボール=動画、シュート=投稿、動画数=シュート回数です。 シュートが決まり、大きなリーチやエンゲージメントを得られることもあれば、シュートが外れ、虚無感を味わうこともあるでしょう。 試合で選手が数回シュートを外したからといって、勝負を諦めたり、打つことをやめることはしません。それと同様に、動画が入るか外れるかは、時々の運やタイミングに左右されることもあります。個々の動画がなぜうまくいったか、いかなかったか振り返る姿勢は持ちつつも、初期段階での再生数に一喜一憂はしないように。 ある動画がさほど再生されなかったとしても、視聴者にとって有益であったり、次の動画へのヒントやフィードバックを得るための重要な役割を果たしているかもしれません。チャンネル設計がターゲットに合っていれば、必ずしも再生回数だけが成功の指標ではありません。
カギはいかに「低コスト&低リソース」で運営できるか
短期の成果に振り回されず、勇気を持って大胆に試行錯誤できるかどうかは、「低コスト&低リソースで運営できるか」にかかっています。ミニマムの予算、人員、時間でテスト運営するなら、上層部もとやかく言いません。 最初から多くのリソースを投入して高品質な動画を作ろうとするのは、持続性の観点から見てもリスクが高いです。限られたリソースで「ダメ元」で運営し、徐々に改善していくことが長期的な成功の鍵となります。 長尺動画を作るのがしんどいのなら、ショート動画はどうでしょう? いきなりYouTubeに公開するのではなく、実験として会議室でスマホで撮影&編集して、「さくっと作ってみたんですが」と上司に見せてみる。反応が良ければ、社内Slackにも展開してみましょう。 上司「誰が作ったの」 部下「私です」 上司「どれくらい時間かかったの」 部下「撮影5分、編集10分です」 上司「たった15分で?」 部下「休憩時間にやりました」 上司「いいね、別のテーマでもほしいね」 部下「AとかBとかどうですか」 上司「そうそう」 部下「やってみます」 上司「これ、YouTubeに公開してもいいんじゃない?」 部下「公式チャンネルはまだないですね」 上司「じゃあ、検討してみよう。提案書まとめてくれる?」