マセラティが “街乗りOK” なレーシングカー発売 新型「GT2ストラダーレ」約6600万円から 英国
レーシングカーを街乗り仕様に
マセラティMC20のレーシングカー仕様であるGT2をロードカー(公道走行向け)に仕上げた新モデル、「GT2ストラダーレ」が英国で発売された。33万8880ポンド(約6600万円)というライバルを凌駕する価格で、史上初の最も高価なモデルとなった。 【写真】スーパーカーMC20を鍛え上げた特別モデル【マセラティGT2ストラダーレを写真で見る】 (18枚) 新型GT2ストラダーレは、標準のMC20に比べて60kg軽量化され、3.0L V6ツインターボから追加で11psの出力を引き出し、派手なエアロキットを装着している。 その結果、車重1365kg、最高出力640ps/7500rpmとなり、0-100km/h加速タイムは2.8秒を達成。これはライバルのマクラーレン750S(最高出力750ps)に匹敵し、PHEVであるフェラーリ296 GTB(同830ps)よりも速い。 また、価格面でもこれらのライバルを上回り、フェラーリ12チリンドリやアストン マーティン・ヴァンキッシュなどと肩を並べている。 その他では、レーシングカー仕様のGT2と同じ洗練されたサスペンション・セットアップとステアリングラック・チューニングを採用し、ハンドリングの向上を図っている。 また、ベンチレーテッドディスク、キャリパー、パッド、サーキット走行用のアンチロック・システムなど、ブレーキのセットアップも同じである。 新しいフロントディフューザーと大型リアウィングが追加されたことで、ダウンフォースは最大500kgに達し、マセラティはGT2ストラダーレについて「比類ない感覚と優れたパフォーマンスを約束する」と述べている。 コルサ・エボ(Corsa Evo)という新しいドライビングモードも搭載されている。オプションのパフォーマンス・パック(ミシュランのセミスリックタイヤ、電子制御式リミテッドスリップディファレンシャル、4点式シートベルトなどが追加される)装着時のみ利用可能で、4段階設定の高度なトラクションコントロール・システムとして機能する。 マセラティのダヴィデ・グラッソ最高経営責任者(CEO)は以前AUTOCARの取材に対し、このようなスペシャルモデルが「業界のベンチマーク」になるという目標にとっていかに重要であるかを語っている。 2023年に記録した8200万ユーロ(約133億円)の調整後営業損益からの回復を目指すマセラティにとって、これは特に重要な意味を持つ。 新型GT2ストラダーレの英国での納車開始は来年4月を予定している。
ウィル・リメル(執筆) 林汰久也(翻訳)