ポリマーケット、選挙の賭けの急増で5000万ドルの資金調達を模索と報道──トークン発行も検討か
アメリカの選挙に対する賭けがブームになっていることに乗じて、暗号資産(仮想通貨)ベースの予測市場プラットフォームであるポリマーケット(Polymarket)が5000万ドル(約72億5000万円、1ドル145円換算)の新規資金調達を模索している。テクノロジーニュースサイトのThe Informationが23日に報じた。 この記事は匿名の情報源の話として、ニューヨークを拠点とするスタートアップのポリマーケットは独自のトークン発行も検討していると報じた。提案された資金調達ラウンドで投資家は、ポリマーケットがトークン発行計画を進めた場合にそのトークンを購入する権利を与えるワラントを受け取るという。 記事では、発行される可能性のあるトークンをポリマーケットが「ユーザーが現実世界のイベントの結果を検証する手段として」使用するとされている。 これが、「オラクル」サービスのUMAプロトコル(UMA Protocol)の補完・代替・置き換えになるかどうかはこの時点では明らかではない。UMAは、ポリマーケットが市場の結果を確定させ、コミュニティ投票を通じて紛争に裁定を下すために使用しているものだ。The InformationはUMAについて言及しておらず、記事の公開後、UMAのトークンは若干上昇した。 ポリマーケットは資料に、「ポリマーケットは、その核心においてオラクルに依存しない」と記載している。 ポリマーケットもUMAも、CoinDeskのコメント要請にまだ応じていない。
飛躍の年
ポリマーケットは5月、2つのラウンドで合計7000万ドル(約101億5000万円)を調達したことを明らかにした。1つは2500万ドルで、もう1つはビリオネアのピーター・ティール(Peter Thiel)氏のファウンダーズ・ファンド(Founders Fund)が主導した4500万ドルのシリーズBラウンドだった。 The Informationの記事は、提案された5000万ドルのラウンドの投資家が株式を受け取るのか、それともトークンのワラントだけを受け取るのかを明記しておらず、これまで開示されていないポリマーケットの評価額についても言及していない。 ポリマーケットは、長年注目されていなかったニッチな存在の予測市場と暗号資産(仮想通貨)そのものの両方にとって、今年の飛躍的成功事例の1つだ。ポリマーケットを通じて行われる賭けは、ポリゴン(Polygon)ブロックチェーン上のスマートコントラクトにプログラムされ、米ドルのステーブルコインであるUSDコイン(USDC)で決済される。 デューン・アナリティクス(Dune Analytics)のデータによると、ポリマーケットの月間取引高は8月に過去最高の4億7200万ドル(約684億4000万円)に達した。今月は23日時点で3億9700万ドルの取引高があり、少なくとも2番目に取引高が大きい月になりそうだ。 トレーダーはポリマーケットを使用して、サッカーの試合から中東の緊張状態まで、あらゆる結果に賭けることができるが、圧倒的に人気のあるテーマは米大統領選挙であり、トレーダーはこれに10億ドル(約1450億円)近くを賭けている。