隆の勝、自身初の初日から5連勝で30歳誕生日祝った「プレゼント、ケーキもうれしいが、白星が1番」
◆大相撲九州場所 5日目(14日・福岡国際センター) 東前頭6枚目・隆の勝が自己新となる初日から5連勝を飾った。西同4枚目・欧勝馬をはたき込み、30歳の誕生日に自ら花を添えた。豊昇龍は東前頭2枚目・若隆景を豪快な小手投げで下し、大関陣では唯一、無傷5連勝を飾った。新大関・大の里は西前頭3枚目・熱海富士を押し出し、連敗せず。琴桜も4勝目を挙げ、3大関は安泰だった。全勝は平幕の阿武剋(おうのかつ)を加えた3人となった。 【九州場所】番付&星取表 支度部屋で満面の隆の勝スマイルを浮かべた。欧勝馬を右のど輪で起こすと、左上手で反撃してきた相手のまわしを切り、冷静にはたき込んだ。初日から5連勝は自身初。愛きょうある顔の形でついた愛称「おにぎりくん」は、「上出来。これまで5連勝スタートをしたことがなかったし、気分よく体も動いている」と、充実した表情で話した。 この日が30歳の誕生日。節目を自らの勝利で祝い「プレゼント、ケーキもうれしいが、白星が1番」と満足げに語った。中学を卒業後、15歳で入門したたたき上げは、人生の半分を相撲界で過ごしてきた。「幕内に上がったり、いろいろなことがあった」と、感慨深げにこれまでの相撲人生を振り返った。 30代に突入したが「衰えは感じない。成長が遅いのかな」と笑い飛ばす。関脇経験もある実力者は「上を目指す気持ちを忘れてはいけない。年齢関係なく上がれると思っているので、若手と同じ気持ちで精いっぱいやりたい」と、向上心に満ちている。7月の名古屋場所では横綱・照ノ富士との優勝決定戦に惜しくも敗れた。「悔しさは絶対にあるので、もう1回」と、初の賜杯への思いは人一倍強い。衰え知らずの30歳が、九州の地で今度こそ主役となる。(大西 健太)
報知新聞社