共産党は伸び悩み 志位委員長「大局的には野党共闘は成功だった」
共産党の志位和夫委員長は、22日に投開票された衆院選の大勢が判明した23日未明に東京都内の党本部で会見した。野党共闘した立憲民主党が躍進し、共産党は解散時より議席を減らす情勢について「大局的な見方では野党共闘は成功だった」と語った。
今回の衆院選を振り返り、「沖縄1区で赤嶺政賢候補が勝ったことは喜ばしいが、比例区では伸びを欠き、現有議席を割った。ひとえに力不足だったと思う。捲土重来を期したい」と述べた。 共産党は伸び悩んだ一方で、立憲民主党は大きく議席を伸ばした。共産党は野党共闘のために67の選挙区で候補者を取り下げたが、「候補者を一本化した選挙区では29もの立憲民主党もしくは無所属の候補が小選挙区で勝っている。結果的に野党共闘が実った成果だと言えるだろう」との見方を示した。 そして、共産党が憲法改正の阻止に絡め、「今回の総選挙は市民と野党が協力して戦うことができた。共産党の議席は減ったが立憲民主党が議席を伸ばしたことで野党第一党を確保した。自民党も野党第一党の合意がなければ改憲を進まないと言っている。大局的な見方では野党共闘は成功だったと言える。野党共闘に悔いはない。今後も、野党共闘を発展的に進めて、安倍政権の暴走を食い止めたい」と強調した。 党勢拡大に向けて、これまでは「ほかに入れるところがないから共産党という消極的な支持も多い」と分析した上で「これからは積極的に共産党に入れる層の拡大を図りたい」とした。 それまで野党で進めてきた共闘を、民進党の前原代表が反故にして、事実上の希望の党への合流を決めたことには「背信的な行為だ。そうした行為に怒り心頭している」「希望の党ができて、民進党が合流することで野党が分断されてしまった。共産党は大きな負担を負わされた」と不満を述べたが、「民進党には参議院議員も残っており、考え方が合えば連携できる部分はあるかもしれない」と語った。 小川裕夫=フリーランスライター