定年後の再雇用で給与が下がるのは「合法」なの?
定年後の再雇用で給与が下がることが、違法でないこともある
先に紹介した判例においては、定年後の再雇用時に給与が下がることが「違法」とされました。しかし、実際にはそれが認められる場合もあります。それは同一労働同一賃金に反しない場合です。 同一労働同一賃金は、必ずしも労働条件が同一でなければならないというわけではありません。違いがあれば、それに応じて給与額が異なることは是認されています。 例えば、「定年後の再雇用によって責任の程度が軽くなり、職務範囲も変更となった結果、定年前40万円だった給与が20万円に下がった」と考えてみましょう。その待遇が同様の地位で、かつ他の一般従業員と同様であれば、それは同一労働同一賃金に違反せず、認められる可能性が高いと考えられます。
まとめ
定年後の再雇用によって給与が下がることは、決して珍しくありません。実際、待遇や責任の程度、職務内容の変更に伴う減額の場合、認められる可能性は十分あります。とはいえ、定年後に給与が下がると一概には言い切れず、ケース・バイ・ケースの判断がなされます。 もし、定年後の再雇用時に給与が著しく下がったという場合、労働基準監督署に相談してみることをおすすめします。そうすることで、解決する可能性があるでしょう。 出典 裁判所 令和4年(受)第1293号 地位確認等請求事件 国税庁 令和4年分 民間給与実態統計調査 執筆者:柘植輝 行政書士
ファイナンシャルフィールド編集部