マクラーレン 初のEVスーパーカー計画、現在の技術では達成困難 「支援」要請
国内の技術開発促進を呼びかけ
英国の自動車メーカーであるマクラーレンは、バッテリーEV(BEV)のスーパーカーを計画しているものの思わぬ「壁」に直面している。 【写真】ドラマチックなハイブリッド・スーパーカー【マクラーレン・アルトゥーラを写真で見る】 (21枚) マクラーレンのマイケル・ライターズCEOは英国自動車製造販売者協会(SMMT、日本の自工会に相当)のサミットでスピーチに立ち、少量生産メーカーを守り、新しいパワートレイン技術の開発を促進するために英国の自動車サプライチェーンへの投資と支援を呼びかけた。 AUTOCARの取材に応えたライターズ氏は、「英国内のサプライチェーンへの投資」が「雇用や経済の脱炭素化を支援し、ハイパフォーマンスカー産業の活力ある未来」につながると述べた。 英国のサプライチェーン構造について「本当に心配している」と述べ、貿易制限や政府の取り組みが技術的進歩を阻害していると指摘した。 「マクラーレンは新しい電動車用バッテリーの調達計画を進めていますが、関税を回避するための “原産地規則” を満たすサプライヤーを見つけるのは非常に難しい。サプライチェーンの準備が整っておらず、他社に追いつくためにはサプライチェーンへのさらなる投資が必要です」 しかし、業界がさまざまな逆風に直面している一方で、「ハイパフォーマンスカーに集中する絶好の機会がある」という。 「当社はイノベーターとして知られる巨大サプライヤーと協力しています。そして、彼らからは『マクラーレンが要求するものは、他社より3~5年早い。だから一緒に仕事をしているのだ』と言われます」 彼はF1チームや世界的なスポーツカー・メーカーの多くが英国に本社を置いていることから、英国を “ハイ・パフォーマンスの本拠地” と表現する。 「我々にとって、非常に大きなチャンスがあると思います」 また、サプライチェーンを支援するためには政府からの投資だけでなく、業界が「技術を理解する」ための育成プログラムが必要だとした。 「セル技術、材料の組み合わせ、生産方法など、バッテリーを理解する必要があります。これは大変な作業です」 「研究開発から始まり、エンジニアリング、そして工業化へと進まなければなりません。道のりは長く、我々皆が同じスタート地点にいるわけでもありません。中国にはそのための地政学的な課題があり、我々はそれに追いついているに過ぎません」