“勝利至上主義”中国サッカーに変革起きるか…中国サッカー協会トップに聞いた「日本人監督起用」のねらい 帰化選手の追加には反対意見多数
日本サッカーから謙虚に学ぶ
――現在の中国代表チームをどのように見ていますか? 中国チームの視点から言えば、11月19日に福建省で行われたワールドカップアジア最終予選で我々は良い姿勢で日本との試合に臨むことを見せました。日本代表に対して前回の0対7から今回の1対3という試合結果は、進歩していると言えるでしょう。しかし、同時に日本代表との大きな差を痛感しました。 このため、私たちは日本サッカーから謙虚に学ぶ必要があると強く感じています。中国と日本、韓国がお互いに切磋琢磨し、中国サッカー界が発展し追い付くことにより、アジアサッカー界全体の発展に繋がると確信しています。
結果のために“なりふり構わず”
一方で、早急に結果を求めるために現在の中国代表チームにブラジル人を始めとする複数の外国人を帰化させプレーさせるということも検討されている。この動きに対しては一部で歓迎の声もあるが、中国SNS上では多くの反対意見が見られる。 宋会長から16歳以下の代表チームの監督に任命された上村健一監督は、中国サッカーについて「人口14億人いる中国のサッカー界は可能性の塊」と話し、「中国には多くのポテンシャルを持っている子供たちが存在し、この子供たちが育成年代から良い指導を受けて適正な競争原理の中で切磋琢磨していけば、世界を驚かせる時は早く来る」と分析している。 帰化選手は一時的には中国サッカー界に寄与することはあっても、自国の代表選手の席を奪うことになり、長期的に見れば逆効果になることもあり得る。 結局、代表チームの成功に近道はなく、育成年代への適切な指導とサポート、そしてそれを支える協会のガバナンス強化など、地道に一つ一つの問題を根本的に見直し、解決することによってのみ成し遂げられるのだ。 今後、中国サッカーは強豪国になることが出来るのか。その未来は中国のサッカー界に携わる一人一人の意識改革にかかっている。 (FNN北京支局 河村忠徳)
河村忠徳
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