中国・上海の日本人学校「南京事件」の日は登校せず…事件の全容解明や動機を明らかにしない中国がもたらすもの
他にもある特別な日
中国で生活する日本人にとって、9月18日や12月13日以外にも気をつけなければいけない日がある。 在中国日本大使館はホームページで「複雑な対日感情に注意しましょう」として「過去の歴史的経緯にかんがみ、中国人の中には日本人に複雑な感情を抱く人がいることを念頭におき、慎重に行動する必要があります。特に、日本人が関与した歴史的事件が発生した日には反日感情が表面化する傾向が強いので、思わぬトラブルを引き起こすことがないように注意してください」と呼びかけ、注意を要する具体的な日にちを記載している。
北京でも狙われた子供の命
中国には香港を含めて12校の日本人学校があり、事件後それぞれの学校が警備の見直しや強化を行っていた。その最中、10月28日に北京市海淀区の小学校近くで男による切り付け事件が起きた。 中国メディアによると、被害者5人のうち3人が小学生で、事件発生直後には中国SNSに現場の映像が投稿され子どもが路上に倒れている様子や容疑者の男が取り押さえられる様子が映っていた。 特に今回の事件で注目されたのは、事件が起きた地域だ。海淀区は北京有数のエリート校が集まる場所とされ、同じ地域には北京大学や清華大学など名門大学もある。こういった大学に入学する将来を見据え、我が子を小学校から質の高い教育を受けさせようと、このエリアにあるマンションを購入する保護者は少なくない。その中で、被害に遭ったのは名門校として名高い「中関村第3小学校」の児童だった。 地元警察は事件発生から約2時間後に事件の概要を発表したが、そこには50歳の男が拘束されたという情報だけで、日本人学校の関係者が襲われた事件同様に犯人の動機や事件の背景についての説明はなかった。 一方で、現場近くで事件を目撃していた女性は「犯人の男は被害者が通う小学校の警備員を解雇された腹いせに事件を起こしたと聞いた」と話していたほか、一部メディアも容疑者の男の犯行動機として同様の情報を伝えている。
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