優勝者に合計100万ドルのミドル級トーナメント、前代未聞の途中打ち切り決定的に 大会プロデューサー謝罪 プロモーターのマッチルームは楽天チケットに対して法的手続き開始
プロボクシングのミドル級(リミット72・5キロ)トーナメント「プライズファイター」の深町信治プロデューサー(44)が17日、東京・千代田区の貸し会議室で会見し、同トーナメントが「99・9%開催されない。立ち消えなのかなと理解している」と中止が決定的だと明かした。 同トーナメントは英興行大手マッチルームが実質的にプロモートし、楽天チケット(本社は東京・世田谷区)が出資。スポーツマーケティングなどを行う会社のNSN(Never Say Never、本社はスペイン)がイベントを主催していた。 今月9日にマッチルームの弁護士から深町プロデューサーに「現在、プライズファイタートーナメントに関連した契約違反で、楽天チケットに対して法的手続きを開始していることをお知らせします」などと、2社の間で何らかの問題が発生しているという内容のメールが届いた。問題の内容は深町プロデューサーにも知らされず、マッチルームと楽天チケットは会見を欠席。NSNとは連絡が取れないという。 同トーナメントは日本選手3人を含む8人が出場し、優勝者に3試合合計で100万ドル(約1億4900万円)という破格のファイトマネーを与えるとして、7月15日に大阪・大和アリーナで1回戦4試合が行われたが、集客に大苦戦していた。準決勝は10月、決勝は来年2月に行われる予定だったが、試合は行われない見込み。 前代未聞の大会途中での打ち切りが決定的となり、深町プロデューサーは「エントリーしている選手、またその所属ジムの会長にまずはおわびを申し上げたいと思います」と謝罪した。 1回戦で日本5位だった可兒栄樹(23)=T&T=とダイレクトリマッチを闘い、5回TKO勝ちしたWBOアジア・パシフィック、日本王者の国本陸(27)が所属する六島ジムの枝川孝会長(60)は会見に同席し、「国本に対して準決勝のファイトマネーを保証してやってほしい」と訴訟を検討するとした。準決勝では前東洋太平洋王者の竹迫司登(33)=ワールドスポーツ=と再戦する予定だった。マッチルームは既に準決勝に出場する選手との契約を解消しており、ほかの試合に出場することは可能だという。 1回戦の国本のファイトマネー15万ドル(約2240万円)とKO賞約3万3000ドル(490万円)は既に支払われており、深町プロデューサーはほかの出場選手へのファイトマネーも全額支払われたと話した。準決勝では負けてもファイトマネーが12万5000ドル(約1870万円)もらえることになっていた。