「失敗から本当の血肉ができていく」内野聖陽56歳、チームワークの大切さと“若手俳優”に対する想い
ドラマ『JIN-仁-』シリーズの坂本龍馬から、『きのう何食べた?』シリーズのケンジまで、全く異なるキャラクターを、それぞれその世界に生きる人物として説得力と魅力を与えてきた俳優・内野聖陽さん(56歳)。 現在は最新主演映画のクライムドラマ『アングリースクワッド 公務員と7人の詐欺師』が公開中。第一線で走り続ける内野さんに、チームワークの大切さや、後輩へのアドバイスなどを聞いた。 ⇒【写真】アザーカット
チームが一丸となっているときほど感動的な瞬間はない
――現在、主演映画『アングリースクワッド 公務員と7人の詐欺師』が公開中です。“スクワッド”は“一団”の意味ですが、内野さん自身、多くの現場でチーム作業の大切さを感じてきたのではないでしょうか。 内野聖陽(以下、内野):映画でもテレビでも舞台でも、まず大事なのがチームワークですね。チームの誰かしらが怠けていては崩れますし、逆にチームが一丸となっているときほど感動的な瞬間はありません。たとえば、いま僕はひとり芝居(『芭蕉通夜舟』)をやっていますが裏方スタッフの働きの凄さを見せてあげたいくらいです。その作品に向けて、自分の持ち場を全うしようという、細やかな心遣いや熟練の迅速さや阿吽の呼吸でやっている姿は、端から見ていても、また当事者として入っていても、チームワークというものの美しさを常に感じますね。
失敗の中から、本当の血肉ができていく
――俳優業にフォーカスすると、“後輩”や“先輩”といった存在には、いま現在どんな思いがありますか? 内野:後輩といっても幅広いのですが、10代後半から20代くらいの若い子たちは、やはりこれからのエンタメ業界を背負っていく存在ですからね。10年後、20年後には彼らが主役として立っているのだろうと感じながら見ています。そして「たくさん失敗や痛い思いをしろよ」と思っています。 ――内野さん自身も失敗をしてきたのでしょうか。 内野:当然です。失敗の中から、本当の血肉ができていくと思っています。若い子たちには、当然「お前、まだ何も知らないんだな」と思う部分もありますが、だからこそ「たくさん失敗しろよ」と。失敗も挑戦心がないとできません。どんどん果敢にチャレンジして、自分にとって良きものを探していって欲しいと感じます。 ――先輩に対してはどんな思いがありますか? 内野:戦ってきた背中というものを感じますね。そこをたくさん想像するし、その背中を見て自分ももっと頑張ろうと励まされます。弱音を吐けないなと思います。