空自芦屋基地で目安30倍超のPFAS 福岡県が周辺の井戸も調査へ
健康への影響が懸念される有機フッ素化合物(総称PFAS)をめぐる小規模「専用水道」の全国調査で、航空自衛隊芦屋基地(福岡県芦屋町など)で、国の暫定目標値(1リットルあたり50ナノグラム)を大幅に超える濃度が検出されたことを受け、福岡県は24日、対応状況を公表した。 同基地によると、今年10月、基地内の水源の井戸3カ所と、給水口2カ所でPFOSとPFOAの濃度を測定。井戸で最大2800ナノグラム(暫定目標値の56倍)、給水口で最大1500ナノグラム(同30倍)の結果が出た。 同基地では、最も濃度の高い水源の利用を止め、浄水装置のない給水口からの飲用は控えるよう隊員に呼びかけたという。汚染と基地の活動との因果関係について、担当者は「申し上げることが困難」とし、PFOSを含む泡消火剤は2010年以降使用していないと答えた。 県によると、今月2日に情報提供を受け、周辺市町、同基地などと11日に合同協議を開いたが、同基地側から汚染の原因に関する説明はなかったという。 国の指針は、汚染が確認された井戸から半径500メートルを目安に地下水の汚染調査を行うとしており、県は今後、基地周辺の16の井戸から抽出調査をする。うち二つは家庭用の飲用水として使われており、飲用を控えるよう伝えたという。 また、遠賀川など基地周辺を流れる河川と、基地内から海や川につながる水路の計8カ所でも、県が水質モニタリング調査を進めており、来月中旬に結果が分かる見込みという。(福井万穂)
朝日新聞社