アウトドアジャケットが中国で大ヒット 若者の新たな「冬の神器」に
【CNS】中国では11月、多くの地域ですでに寒さが感じられるようになっていた。北京市、上海市、成都市(Chengdu)などの都市の街頭では、「アウトドアジャケットの大軍」がますます増え、新たなトレンドを生み出している。今年の双11(11月11日のネット通販イベント)では、天猫(Tmall)の販売初日にアウトドアジャケットの売上高が前年同期比90パーセント増となり、多くの電子商取引(EC)プラットフォームで最も成長した品目の一つとなった。 防水性、保温性、そして着膨れしにくいことが、多くの若者がアウトドアジャケットを選ぶ理由となっている。アウトドア用品として、アウトドアジャケットの防水性と保温性は疑う余地もないが、ダウンジャケットと比べ、アウトドアジャケットは厚いわりに、着膨れしにくいという利点がある。 業界関係者は、アウトドアジャケットの売れ行きが好調な理由として、近年のアウトドアスポーツのブームとそれに伴うアウトドア用品の消費増加を挙げている。同時に、若者のライフスタイルと消費観念の変化も関係している。若者はますますコストパフォーマンスと実用性を重視するようになっている。 3in1のアウトドアジャケットは、中のフリースを取り外すと秋の防風ジャケットになり、フリースを付けたら冬の防寒ジャケットになる。さらに洗濯機で洗うことができ、ダウンジャケットのクリーニングよりも便利だ。同時に、アウトドアジャケットのブランドも若者の好みに合わせた改良を加えており、以前は色がダサイと言われ、直筒型が多かったデザインも多様化してきている。また、ファッションブロガーやインフルエンサーによるコーディネートやプロモーションも、多くの消費者の購買欲を刺激し、「流行に乗る」購入を促している。 しかし、流行の服装ブランドが次々とアウトドアジャケットを取り扱う一方、いくつかの問題も浮上してきている。 業界関係者によると、アウトドアジャケット市場ではデザインの同質化や素材品質の不均一といった問題が顕在化してきているという。実際、中国ではアウトドアジャケットの定義や機能要求について明確な規定がある。しかし、この国家標準は推奨標準であり、強制的に実施されるものではないため、一部の企業はこれを逃れ、アウトドアジャケットのような製品製造においてこの標準に従わないという状況がある。 また、アウトドアジャケットは誰もが着れるわけではない。中国南部の比較的暖かい地域でも、「流行に乗って」購入した消費者がいる。広東省(Guangdong)出身のある女性はSNSで、南部の冬は湿気が多く、新しく購入したアウトドアジャケットはクローゼットで放置するしかないと述べている。(c)CNS/JCM/AFPBB News ※この記事は、CNS(China News Service)のニュースをJCMが日本語訳したものです。CNSは1952年に設立された中華人民共和国の国営通信社です。