高岡・山町筋(富山)「赤れんがの銀行」飲食店に 上部はホテル、28年開業
「赤れんがの銀行」として親しまれた旧高岡共立銀行本店(富山県高岡市守山町)が、レストランやホテルに改修されることになった。建物を所有する高岡市が22日発表した。2028年の開業を目指し、文化財的価値を有する建物の保存と交流拡大につなげる。 赤れんがの銀行は、大正期に建築された県内唯一の本格的洋風建築で、辰野式と称される近代銀行建築の外観意匠を取り入れている。19年まで富山銀行本店として使われた。国の重要伝統的建造物群保存地区の「山町筋」にあり、市が21年に富山銀から無償で取得。公募型プロポーザル方式で売却することとし、アイデアを募っていた。 高岡市は優先交渉権者として、ミサワホーム(東京)を代表とする企業グループを選定した。売却面積は約2563平方メートル。この企業グループの提案では、建物を改修して1階にレストランとテイクアウトショップ、2、3階に客室を設け、南側の隣接地に宿泊棟を増築する計画。運営は、全国でホテルや旅館を運営する「温故知新」(東京)が担う。
着工は27年。売却価格は1億4550万円、総事業費は約40億円を見込む。 市はこのほか、旧横田小学校跡地について公募型プロポーザルの審査結果を公表し、計器類製造販売の第一物産(同市宮田町)を優先交渉権者に選んだ。同社は校舎とプールを解体し、産業観光に対応した社屋・工場を整備する。体育館は残し、地域住民に開放するほか、同校のメモリアル施設も設ける方針。