高校生がオンラインで海外ボランティア　大学入試で自己アピール

大学入試が大きく変化し、面接や小論文で評価される「総合型選抜」の入試が増えています。その中でよく問われるのが、SDGs（持続可能な開発目標）についてです。ただ、高校生が社会課題の解決に関わる機会を持つことは、日常ではあまりないかもしれません。こうした中、「社会のためになることをやってみたい」という高校生に向けて、海外ボランティア体験を提供する活動が注目を集めています。 【写真】オンラインでカンボジアの子どもに日本語を教える様子

「印象に残っているのは、カンボジアの子どもたちに『将来の夢は何？』と聞いたときのこと。そんなにたくさんの職業を知らない小さい子どもたちが、学校の先生とか、お医者さんとか、『みんなのためになる職業って何だろう』と一生懸命考えながら、答えてくれたんです」 そう話すのは、清水さやかさん（慶應義塾大学総合政策学部2年）です。高校2年のとき、カンボジアの小学生に日本語を教えるオンラインの海外ボランティア活動に1年間参加（一般社団法人ボランティアプラットフォーム「ぼらぷら」企画）。ビデオ会議アプリを通じて、カンボジアの小学校の教室と日本の自宅をつなぎ、日本語を教えました。 清水さんは、高校1年のときに香港を訪ねる機会があり、デモに参加する現地の高校生たちと交流したのが、海外に興味を持ったきっかけでした。「社会問題をいかに自分事として捉えていなかったかということに気づかされ、海外で学んでみたいと思いました」。留学を希望しましたが、コロナ禍で断念し、参加したのがオンラインのボランティアでした。 「実際に参加してみると、自分が知らないことがあまりにも多いことがわかりました。例えば、カンボジアでは中学生になると農作業などを手伝うことが多くなるため、義務教育のはずの中学校への就学率は、2021年時点で50％前後。世界中の多くの子どもたちが、もっといろいろな夢を見られる社会をつくるための手伝いをしたいという、自分の将来の夢も見えてきました」