センバツ2023 彦根総合、冬越し成長 強豪2校との練習試合/3投手完投、課題も確認 /滋賀
センバツに出場する彦根総合が対外試合の解禁後、今シーズン初の練習試合を行った。4、5両日、大津市のマイネットスタジアム皇子山で強豪2校とダブルヘッダーで対戦した。4試合で3投手が完投する上々の仕上がり。打線も粘り強さを発揮した。選手たちは冬を越して得た成長と甲子園に向けた課題を確認した。【飯塚りりん】 初日は昨春のセンバツに出場した和歌山東と対戦した。第1試合では勝田新一朗投手(2年)が最速142キロを披露。3点を許したものの、9回12奪三振と力投した。 勝田投手は「スタミナを付けようと、紅白戦でも完投、完封を意識してきた。球威を保ち、最終回でも三振が取れたのは成長だ。走者を置いてからの投球を課題にしたい」と笑顔で話した。 一方、打線は五回まで安打が出なかったが、3点リードされた六回以降に森田櫂選手(2年)の適時打などで追いつき、彦根総合らしい粘り強さを見せた。第1試合は3―3の引き分けだった。 森田選手は「終盤に粘り強く点を返していけたのは、自分たちらしい野球だった。昨秋の近畿大会で大阪桐蔭が見せた積極的な走塁を(チームとして)冬場の課題にしてきた。きょうはそれが何度か見られた」と手応えを感じていた。 宮崎裕也監督は「相手を慌てさせる走塁も見せたが、まだ弱い。ファーストストライクを見逃すことが多く、相手投手を安心させてしまった。相手にプレッシャーを掛けるという戦術面を鍛えていきたい」と課題を語った。 上田大地主将(2年)は「五回までノーヒットだったのは、長打を狙って全体的に大振りになってしまったからだ。コンパクトな打撃でつなぐことと、守備でのエラーをなくしていきたい」と反省点を挙げた。第2試合は6―3で勝利した。 5日は智弁学園(奈良)と対戦し、第1試合は5―1で快勝した。前日の反省を踏まえ、初球を見逃さない積極的な打撃で13安打を放った。1点を追う三回、秋山昌広選手(1年)の適時二塁打で逆転。最終回にも田代奏仁選手(2年)の適時三塁打で加点した。 田代選手は「初球から気を抜かないことを意識して打席に入った。きのうに比べると安打も多く、打線がつながった」と話した。 変化球を武器にする左腕、野下陽祐投手(2年)が第1試合で1失点の完投。「冬に下半身を強化したことが力負けしないキレのある球につながった。強豪と戦って勝てた自信を持って甲子園に臨みたい」と意気込んだ。 2日目第2試合は1―4で敗れた。 ◇保護者も期待 スタンドには多くの保護者も応援に訪れた。武元駿希投手(2年)の父伸也さん(56)は4日、「投手陣は体格や制球がよくなり、成長していると感じた。これから打撃でもエンジンの力がついて行く」と期待していた。