「山本由伸に愛された男」中日・高橋宏斗は新生ドラゴンズの希望の光「“4年目の由伸さん”も“神様”も超えた」価値ある二つの数字とは
被弾は村上宗隆の1本のみ
一軍合流から7月までは13試合で防御率0.48。戦後2人目のシーズン0点台も見えていたが、8月以降は8試合で3.02。悪化の原因は「自分」ではなく「相手」のようだ。150km台後半のフォーシームと鋭いスプリットが高橋の投球の基本軸。裏を返せばスプリットを振ってくれなければ、カウントは苦しくなる。打者の対応力が上がってきた時、さらなる対応力を磨くのが今後の課題となりそうだ。 被本塁打はヤクルトの村上宗隆に打たれた1本のみ。2リーグ分立後の最少記録(規定投球回数到達者対象)を更新した。従来は2本が3人。そのうちの1人が、高橋が師と仰ぐ山本由伸(ドジャース)である。日本球界ラストイヤーとなった昨シーズンに達成している。 侍ジャパンでチームメートとなる以前から、シーズンオフの自主トレーニングで入門するなど心酔。国内見納めとなる昨年の日本シリーズには、名古屋での練習を終え新幹線で大阪を往復し、観戦(応援? )するなどあふれんばかりの「由伸愛」は、野球ファンの間では有名だ。4学年違いの師匠と弟子。高卒でプロ入りしたそれぞれの4年目の成績を比較する。
「師弟関係」二人の成績
【山本】新型コロナの感染拡大により、短縮シーズンとなった2020年 登板18 勝敗8勝4敗 イニング126回3分の2 奪三振149 防御率2.20 【高橋】 登板21 勝敗12勝4敗 イニング143回3分の2 奪三振 130 防御率1.38
あふれんばかりの「由伸愛」
すでに前年(3年目)に最優秀防御率のタイトルを獲得していた山本は、この年もイニング数を上回る数で、最多奪三振に輝いた。そして翌年からは3年連続投手3冠&沢村賞を手にし、MLB挑戦を決めた。短縮シーズンなのですべての数字を同列に比較するのは難しいが、参考までに書くと同年のオリックスもチームは最下位だった。 「由伸さんが2本だっていうのは、記事やニュースを読んで知ってはいましたが、ホームランに関しては、本当に意識してなかったんですよ。もちろん打たれない方がいいですけど、得点差やイニングなど状況にもよります。村上さんに打たれた1本がソロだったのもそうです」 前述のようにあふれんばかりの「由伸愛」ゆえに、高橋は「○年目の由伸さん」をライバル視してきた節がある。同じ最下位チームで12勝を挙げ、記録的な防御率で初タイトルを獲得したことは、この右腕のスケールの大きさを実証した。しかし来シーズンからは一気にハードルが上がる。ドジャースでのポストシーズンの中継を食い入るように見ていた高橋は、まずは「プレミア12」の連覇に向けて動き出す。
(「草茂みベースボールの道白し」小西斗真 = 文)
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